2003 Fiscal Year Annual Research Report
Minマウスを用いた大腸前癌病変の意義とその悪性化に関する分子病理学的検索
Project/Area Number |
15390124
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
森 秀樹 岐阜大学, 医学部, 教授 (70021433)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
廣瀬 善信 岐阜大学, 医学部附属病院, 助手 (20293574)
山田 泰広 岐阜大学, 医学部, 助手 (70313872)
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Keywords | 大腸癌 / Apc遺伝子 / Minマウス / 前癌病変 |
Research Abstract |
我々は、ヒト家族性大腸腺腫症(FAP)のモデルであるminマウス大腸粘膜内に少なくとも20個以上の微小粘膜内病変が存在し、それらがすでにApc遺伝子のLOHを示すことを見いだした(Cancer Res.,2002,)。免疫組織学的検討により、それらの病変はApc遺伝子のLOHによってもたらされると予想されるβ-catenin蛋白の蓄積を示した。強調すべきことは、一般的にminマウスでは腸管腫瘍はほとんどが小腸に生じ、大腸腫瘍はごくわずかしか(1-2個/マウス)観察されないことである。これらの結果は小腸での腫瘍発生と異なり、大腸ではApcの不活性化だけでは腫瘍形成に不十分であることを示唆するものと考えられる。本研究では、minマウスの大腸腫瘍と小腸腫瘍の比較により、大腸腫瘍に特異的に存在する変化を拾い出すことにより,粘膜内病変から大腸腫瘤形成に関わる変化を同定しようとするものである。 Minマウス大腸腫瘍において,K-ras遺伝子,p53遺伝子のダイレクトシークエンスを行った。いずれにも,ヒト大腸癌に見られるhot spotでの変異は観察されなかった。ヒト大腸癌においてK-ras遺伝子変異陰性腫瘍において,高頻度にB-raf遺伝子変異が観察されることが報告されたため,B-raf遺伝子についても検索を行った。いずれにもhot spotでの変異は確認されなかった。 6箇所のマイクロサテライトマーカー(D1mit36,D6mit59,D7mit91,D14mit15,U12235,JH104)を使用して、Cy5標識プライマーを用いてPCR法により増幅後蛍光オートシークエンサーで解析をし、マイクロサテライトインスタビリティーの検討を行った。いずれのマーカーにおいても明らかなインスタビリティーは確認されなかった。以上のように,genetic alterationについての検索を遂行してきたが,現在のところ明らかな変化は確認されていない。今後,epigenetic alterationを含め,検索を続けたい。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Yamada Y et al.: "beta-Catenin mutation is selected during malignant transformation in colon carcinogenesis"Carcinogenesis. 24(1). 91-97 (2003)
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[Publications] Yamada Y et al.: "Pre-cancerous lesions for colorectal cancers in rodents : a new concept"Carcinogenesis. 24(6). 1015-1019 (2003)
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[Publications] Hirose Y et al.: "Azoxymethane-induced beta-catenin-accumulated crypts in colonic mucosa of rodents as an intermediate biomarker for colon carcinogenesis"Carcinogenesis. 24(1). 107-111 (2003)
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[Publications] Tanaka T et al.: "A novel inflammation-related mouse colon carcinogenesis model induced by azoxymethane and dextran sodium sulfate"Cancer Science. 94(11). 965-973 (2003)
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[Publications] Mori H et al.: "Aberrant crypt foci and beta-catenin-accumulated crypts : significance and role for colorectal carcinogenesis"Mutation Res.Review. in press.