2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15390125
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
椙村 春彦 浜松医科大学, 医学部, 教授 (00196742)
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Keywords | 家族性胃癌 / 多発胃癌 / 遺伝子多型 / 遺伝的感受性 / 遺伝子修復 / FISH / 染色体不安定性 |
Research Abstract |
胃癌の家族集積例の特徴を検出するために1.染色体不安定性を指標とした検索をおこなった。とくに最近開発した、パラフィン固定標本に有用なFISHプロトコールを活用した。胃がんのなかで、家族集積性のある症例について、主として17種類の染色体の数的異常を標本上計数してそのモードをもって腫瘍の当該染色体のプロイディを判断した。この結果をこれまであつめた、散発性の胃がんのプロフィールと比較した。対象は、まず散発胃癌例を56例についてであるが、検索にあたって、標識プローブの効率的利用のために、以下の方法でTissue Microarrayを作成した。Tissue microarrayの作製:パラフィンブロックから、3mm-5mmの径の組織を円筒形に打ち抜き、それを、包埋ざらに糊付けて、そのあと溶融パラフィンでブロック化する。1スライドに約50例の組織を置き、少量のラベルしたプローブで効率よく多数例についての情報が得られるようにした。その後に、パラフィン包埋切片用に我々の開発したMicrowave assisted FISHプロトコールを適用した。その結果、散発性の胃癌では、染色体数の異常はnon-randomであり、染色体1番、2番のように、ほとんどすべての胃癌で、しかも比較的早期から数的変化(大部分はgain)がおこるもの、3番や18番のように、centromere数は比較的進行期まで2個のままのもの、その数的増加が予後に関与するような染色体(8番やX染色体など)などが同定された。ところが、家族集積性の胃癌ではごく早期から染色体3番の数的異常がおこっていることなど際立った特徴があった。2.つぎに、胃癌家系から、5人の血液DNAを得た例をもちいて、400個のmicrosatellite marker検索をおこなった。連鎖解析の準備中である。もうひとつのapproachとして、胃癌感受性に関係する遺伝子多型の影響を調べるために、機能のかわり得る多型をin silicoで探索した。その結果、10数個の候補遺伝子多型がみいだされ、逐次、胃癌症例での頻度や、機能解析を行っている。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Wang Y, Sugimura, H et al.: "Ile-Leu substitution (I415L) in germ line E-cadherin gene(CDH1) in a Japanese familial gastric cancer"JJCO. 33. 17-20 (2003)
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[Publications] Otsuki Y, Sugimura H et al.: "Guanin nucleotide exchange factor, Tiam1, directly binds to c-Myc and interferes with c-Myc mediated apoptosis in Rat-1 fibroblasts."JBC. 278. 5132-5140 (2003)
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[Publications] Tanaka M, Sugimura H et al.: "Association of Dishevelled with Eph-tyrosine kinase receptor and ephrin mediates cell repulsion."EMBO J. 22. 847-858 (2003)
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[Publications] Vinies P, Sugimura H et al.: "CYP1A1 T3801 C polymorphism and lung cancer : a pooled analysis of 2451 cases and 3358 controls."Int J Cancer. 104. 650-657 (2003)
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[Publications] Le Marchant L, Sugimura H et al.: "Pooled analysis of the CYP1A1 exon 7polymorphism and lung cancer (United States)."Cancer Causes Control. 14. 339-346 (2003)
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[Publications] Kitayama Y, Sugimura H: "Non-random chromosomal numerical abnormality predicting prognosis of gastric cancer, a retrospective study of 51 cases using pathology archives."Lab Invest. 83. 1311-1320 (2003)
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[Publications] 椙村春彦(分担): "分子予防環境医学"本の泉社. 760(420-427) (2003)