2004 Fiscal Year Annual Research Report
細胞社会における細胞死制御機構としてのギャップ結合コミュニケーションの研究
Project/Area Number |
15390129
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
小山田 正人 京都府立医科大学, 医学研究科, 助教授 (30183255)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
戴 平 京都府立医科大学, 医学研究科, 助手 (20291924)
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Keywords | ギャップ結合 / コネキシン / 細胞死 / アポトーシス / ネクローシス / 紫外線 / ミトコンドリア / GFP |
Research Abstract |
ギャップ結合細胞間コミュニケーションが、多数の細胞から構成される細胞社会において、どのように細胞死に関与するかは不明である。本研究では、ギャップ結合の細胞死における役割を解明するため、細胞死の代表であるアポトーシスとネクローシスにおける、ギャップ結合細胞間コミュニケーションについての解析を行った。 1.紫外線誘導アポトーシス過程でのギャップ結合プラークの局在変化 ギャップ結合プラークの局在を生きた細胞で可視化するために、コネキシン43(Cx43)と蛍光蛋白質EGFPとの融合遺伝子をHeLa細胞に導入して得られた細胞株Cx43-EGFP HeLa細胞を用いた。180mJ/cm^2の紫外線(254nm)をCx43-EGFP HeLa細胞細胞に照射した。紫外線照射後2時間のアポトーシス初期では、約1/3の細胞がミトコンドリア膜電位の喪失を示したが、これらの細胞間にも、線状の長いCx43-EGFPギャップ結合プラークが存在していることを確認した。アポトーシスが進行した紫外線照射後4時間では、ミトコンドリア膜電位喪失細胞が増加し、ギャップ結合プラークが断片化し、びまん性の細胞質への局在に変化した。核の断片化を示しアポトーシス後期(紫外線照射後8時間)では、Cx43-EGFPの細胞質の局在も減少していた。以上の結果より、ギャップ結合プラークの断片化と細胞質への局在の変化が、アポトーシス過程の中期に起こることを明かにした。 2.ネクローシス過程における細胞死の拡大 心房筋の性格を有する細胞株HL-1細胞にミトコンドリア機能阻害剤であるrotenoneを投与し、その後正常な培地に戻すことによって、一時的なエネルギー欠乏に依るネクローシスを誘導した。ネクローシスの解析は、LIVE/DEAD viability/Cytotoxicityキット(Molecular Probe社)を用いた。rotenone(5μM)を2時間投与し、その後3時間正常な培地に戻すことによって、細胞が十数個の集団を作ってネクローシスに陥る像が確認された。この結果に基づいて、ギャップ結合細胞間コミュニケーションが、細胞集団でのネクローシス誘導に関わっているという仮説を提唱したい。
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Research Products
(7 results)