2004 Fiscal Year Annual Research Report
癌細胞由来サイトカインによる癌の宿主免疫系からの逸脱機構に関する研究
Project/Area Number |
15390130
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
國安 弘基 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (00253055)
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Keywords | HMGB1 / amphoterin / RAGE / マクロファージ / アポトーシス / 大腸癌 / 転移 |
Research Abstract |
本課題の初年度において、RAGE-HMGB1/amphoterin系がマクロファージにアポトーシスをもたらすことで宿主癌免疫から逸脱しより高い転移能を獲得している可能性を示唆する結果が得られた。すなわち、(1)転移を有する大腸癌のほぼ全例でHMGB1/amphoterinの過剰発現が見られる、(2)活性化されたマクロファージはRAGE発現が亢進する、(3)HMGB1/amphoterin処理によりマクロファージにアポトーシスが誘導される、(4)EGF存在下でHMGB1/amphoterinによるアポトーシス誘導が促進される、ことを明らかにした。今年度は、上記の結果を確証するためヒトリコンビナントHMGB1/amphoerinを作成し、健常人から採取したヒト肺胞マクロファージ及びラット腹腔マクロファージを処理し、アポトーシスの誘導を確認した。さらに、ヌードマウス皮下腫瘍系においてHMGB1/amphoterin中和抗体を腫瘍内投与することにより腫瘍内へのマクロファージ浸潤が促進されることが認められた。ラットAOM大腸発癌モデルでは発癌早期からHMGB1/amphoterin分泌の亢進が大腸粘膜に見られ、発癌早期からHMGB1/amphoterinによる宿主癌免疫からの逸脱機構が関与する可能性が示唆された。また、HMGB1/amphoerinによるマクロファージへのアポトーシス誘導が癌以外の病態に関与する例として、肝線維化を検討した。四塩化炭素投与ラット肝においては血清中HMGB1/amphoerinの上昇と肝壊死組織内マクロファージアポトーシスが見られ、肝の障害の増悪にHMGB1/amphoerinによるマクロファージアポトーシス誘導が関与することが示唆された。
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Research Products
(7 results)