2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15390142
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
堀口 安彦 大阪大学, 微生物病研究所, 教授 (00183939)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡 清正 大阪大学, 微生物病研究所, 助手 (70314474)
三宅 眞実 大阪大学, 微生物病研究所, 講師 (10251175)
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Keywords | 百日咳 / 壊死毒 / トランスグルタミナーゼ / 気管平滑筋 |
Research Abstract |
百日咳菌壊死毒の組織および細胞での作用を高感度に検出するため、壊死毒作用の産物であるポリアミン化Rhoに対する抗体の作製を試みた。この目的のため、in vitroで壊死毒作用によりポリアミン化したRhoを抗原としてウサギに数回皮下注射し、免疫血清を得た。しかし、得られた抗体の特異性を検討したところ非修飾のRhoに対する抗体価が極めて高く、一方ポリアミン化Rhoに対する特異抗体価は低かった。そこで、ポリアミン化領域に限定したペプチドを作製し、抗原として用いることを目的に、壊死毒によってポリアミン化を受けるRhoの最小領域の限定を試みた。その結果、63位のポリアミン化アミノ酸であるグルタミンを含む59位よりC末端側のペプチドが壊死毒の基質として働くことがわかった。 また、気道組織における壊死毒の標的細胞を探索する過程において、ブタ由来の気管平滑筋初代培養細胞が本毒素に感受性であることがわかった。これは、線維芽細胞系以外での壊死毒感受性細胞の最初の例である。本細胞は、壊死毒に高感受性のMC3T3-E1細胞と同程度の反応性を示した。 さらに、百日咳菌および気管支敗血症菌による細胞レベルの感染モデルが作製可能かどうかについて予備的に検討を加えたところ、L2細胞やMC3T3-E1細胞など、用いたすべての培養細胞で感染直後の傷害が激しく菌の定着や増殖を観察できるにはいたらなかった。現在、種々の培養細胞と菌種の組み合わせにより、観察に耐えるモデルが作製できるかどうか検討中である。
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Research Products
(1 results)