2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15390142
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
堀口 安彦 大阪大学, 微生物病研究所, 教授 (00183939)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三宅 眞実 大阪大学, 微生物病研究所, 講師 (10251175)
|
Keywords | 百日咳 / 気管支肺血症菌 / 壊死毒 / 気道上皮 |
Research Abstract |
百日咳菌壊死毒の特異的ウサギポリクローナル抗体を利用し、壊死毒素を高感度に検出できる酵素抗体法の系を確立した。本法は、0.2ng/ml以上の壊死毒素の検出を可能にした。この方法により、百日咳菌(Bordetella pertussis)及び類縁の気管支敗血症菌(B.bronchiseptica)各々10株の培養上清中の壊死毒素の濃度を測定した。その結果、菌の増殖に伴って培養上清中に遊離する壊死毒素の量が増加し、定常期までに百日咳菌で平均5.4ng/ml、気管支敗血症菌で平均2.0ng/mlの壊死毒素が検出できた。これらの濃度は壊死毒素の細胞に対する最少有効濃度を充分に上回っているため、菌の増殖中に菌体から遊離した毒素が感染局所の感受性細胞に充分作用しうることが推察された。 一方、百日咳菌および気管支敗血症菌による細胞レベルの感染モデルが作製可能かどうかについて検討した。ヒト気道上皮細胞であるCalu3細胞を透過膜上で気相/液相培養(air-liquid culture)することにより繊毛を有する極性細胞に分化させ、これに百日咳菌及び気管支敗血症菌を感染させたが、菌の増殖に伴うと思われる非特異的な細胞障害以外に、注目すべき特異的変化は認められなかった。また、通常培養したラット肺胞上皮由来のL2細胞に百日咳菌及び気管支敗血症菌を感染させたところ、百日咳菌に特異的な細胞の形態変化が認められた。このことからL2細胞は百日咳菌の感染モデルとして格好の培養細胞株として利用可能であることがわかった。
|
Research Products
(2 results)