2003 Fiscal Year Annual Research Report
伝染性膿痂疹を引き起こす黄色ブドウ球菌のゲノミクスおよびポストゲノミクス
Project/Area Number |
15390143
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
菅井 基行 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (10201568)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小原 勝 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (80253095)
藤原 環 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助手 (90274092)
小松澤 均 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教授 (90253088)
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Keywords | 伝染性膿痂疹 / バクテリオファージ / ETA / ETB / ETD / 黄色ブドウ球菌 / とびひ / 微生物ゲノム |
Research Abstract |
2002年に伝染性膿痂疹から分離した黄色ブドウ球菌を用いて、各々のゲノムをPFGE分析にかけ、電気泳動パターンをPICT fileとして保存し、Gel Compar softwareを用いてclustering解析を行った。さらにそれぞれの株についてPCRによるメチシリン耐性株の検出、微量液体稀釈法による各種抗菌化学療法薬の最少発育阻止濃度を測定した。これらの結果からETA産生株は3つのクラスターに分類されたため、それぞれETA産生株について各クラスターの代表株を取り出し、マイトマイシン処理によるバクテリオファージの誘導を試みた。それぞれの株からDNase耐性のファージ用粒子が得られたことから、それらよりファージゲノムを精製し、ゲノム塩基配列を決定した。決定した塩基配列を元にアノテーション作業を行い、ゲノム全体の構造、ならびに個々のORFについて3者の比較検討を行った。その結果、うち二つは非常によく似たゲノム構造を持っていたが、MRSA株から分離されたファージはむしろMRSAが持つファージによく似たゲノム構造を持っていた。これについては引き続き解析を行い、感染実験をしてファージ間の関連性について検討を加える予定である。ETAまたETA/ETB/ETDを産生する代表的なクローンを用いてwhole genome PCR scanningを実施した。それぞれの株についてPCR産物が約10kbとなるようにプライマーを設計し、PCRを行った。その結果、最初のPCRでかなりの部分でPCR産物ができないことが明らかになった。
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