2003 Fiscal Year Annual Research Report
RND型排出システム群の生体内作動を基盤にした緑膿菌多剤耐性および病原性の解析
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15390146
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kyoto Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
後藤 直正 京都薬科大学, 薬学部, 助教授 (30121560)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西野 武志 京都薬科大学, 薬学部, 教授 (50097838)
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Keywords | 緑膿菌 / 排出システム / 抗菌薬耐性 / クォーラムセンシング / Pseudomonas aeruginosa / Quorum sensing / Resistance |
Research Abstract |
緑膿菌は重篤な難治感染症を引き起こす日和見感染症の重要な起因菌のひとつである。本感染症の化学療法の問題点は、種々の抗菌薬や消毒薬に対する本菌の高度自然耐性を示すところにある。本研究の目的は、生育環境下の異物からの自己防衛に働くマルチコンポーネント型異物排出システム発現制御機構から多剤耐性および病原性の発現の機構を明らかにすることにある。緑膿菌の病原性(毒素産生、バイオフィルム形成や運動性)発揮など生理的機能に重要な役割を果たしているQuorum-sensing機構によるマルチコンポーネント型多剤排出システム(Mexシステム)の発現を調べたところ、MexCD-OprJ、MexJK, MexHI-OpmD、PA1435-PA1436、PA2528-PA2527-PA2526-PA2525およびCzcABCの発現がQuorum sensingによって制御されていることが分かった。また、マルチコンポーネント型排出システムの発現がQuorum sensing機構の発現にも機能していることが分かった。 私どもはすでに緑膿菌の排出システムが本菌の抗菌薬耐性に機能するのみならず、本菌の内因性感染の成立に重要な役割を果たしていることを明らかにした。さらに、本年度の研究によって、排出システムの発現がQuorum sensing機構によって制御されていること、また逆に排出システムがQuorum seinsing機構の発現にも機能していることが明らかとなった。これらの知見を総合すると、排出システムの阻害は抗菌薬耐性の軽減のみならず、緑膿菌の病原因子の産生を軽減させることにもつながり、新しい抗感染症薬創生への標的である可能性が示された。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 後藤直正: "第1部 グローバル時代の感染症学IV感染症特論5.薬剤耐性菌8)薬剤耐性緑膿菌"日本臨牀 増刊 新世紀の感染症学 下-ゲノム・グローバル時代の感染症アップデート. 61. 196-201 (2003)
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[Publications] Hacquet, D.et al.: "MexXY-OprM efflux pump is necessary for adaptive resistance of Pseudomonas aeruginosa to aminoglycosides"Antimicrob.Agents Chemother.. 47. 1371-1375 (2003)
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[Publications] Gotoh, N.et al.: "Intrinsic Resistance of Escherichia coli to mureidomycin A and C due to expression of the multidrug efflux system AcrAB-TolC : comparison with the efflux systems of mureidomycin-susceptible Pseudomonas aeruginosa"J.Infect.Chemother.. 9. 101-103 (2003)
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[Publications] Morita, Y.et al.: "Induction of mexCD-oprJ operon for a multidrug efflux pump by disinfectants in wild-type Pseudomonas aeruginosa PAO1"J.Antimicrob.Chemother.. 51. 991-994 (2003)