2005 Fiscal Year Annual Research Report
RND型排出システム群の生体内作動を基盤にした緑膿菌多剤耐性および病原性の解析
Project/Area Number |
15390146
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Research Institution | Kyoto Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
後藤 直正 京都薬科大学, 薬学部, 教授 (30121560)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西野 武志 京都薬科大学, 薬学部, 教授 (50097838)
小川 倫洋 京都薬科大学, 薬学部, 助手 (00411033)
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Keywords | 抗菌薬耐性 / 排出タンパク質 / 緑膿菌 / 病原性 |
Research Abstract |
緑膿菌の染色体上には、少なくとも12種類のマルチコンポーネント型多剤排出(Mex)システムがコードされている。これらのMexシステムのうち、MexAB-OprM, MexCD-OprJ, MexEF-OprN, MexXY-OprMおよびMexJK-OpMなどが様々な抗菌薬、消毒薬や色素の排出に機能し、異物に対する自己防衛機構として働くことが明らかにされてきた。しかし、なぜ12種類もの自己防衛機構が必要なのかという疑問に対する明確な答えはなかった。そこで、私どもは12種類のMexシステムの存在意義を明らかにするため、それぞれの排出システム欠損株を作成し、排出システムの発現量や抗菌薬耐性および病原性への関与について調べ、次の結果を得た。多くのMexシステムの欠損が抗菌薬感受性に影響を与えなかったのは、それらの発現量が低いことと主要な排出システム遺伝子群であるMexAB-OprMが発現することによって、他のMexシステムの機能が隠されていることに起因していると考えられる。一方、発現量が低いMexシステムの欠損によって病原因子の産生低下やMDCK細胞モノレイヤの透過度の減少が起こったことから、12種類のMexシステムの多くが主として抗菌薬耐性に働くのではなく、細胞内で合成した病原性発現を誘導する化合物を細胞外へ排出することで緑膿菌の病原性発揮に機能することが本来の生理的機能であることを明らかにした。
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Research Products
(5 results)