2004 Fiscal Year Annual Research Report
麻疹ウィルスによるI型インターフェロン誘導の分子機構:TLRシグナリングの関与
Project/Area Number |
15390154
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
瀬谷 司 北海道大学, 大学院・医学研究科, 教授 (10301805)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 美佐子 大阪府立成人病センター研究所, 免疫学部門, 部門長 (30332456)
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Keywords | 麻疹ウィルス / TLR3 / 骨髄性樹状細胞 / dsRNA / CD46 / SLAM / IRF-3 / IFN-β |
Research Abstract |
麻疹ウイルスの免疫変調をToll-like receptors(TLRs)-抗原提示細胞の側面から細胞応答・個体応答レベルで解明することを目指した。麻疹ウイルスの取り込みレセプターが同定され、CD46-adapted strains、CD150-adapted strainsが得られている。しかし、麻疹ウイルスがtype I IFNを誘起するか、誘起する場合の分子機構や経路は不明である。この点の解明を目指して、以下の知見を得た。1.ヒト骨髄性樹状細胞(mDC)において、野外株は一般にtype I IFNを誘導せず、ラボラトリー適合株はtype I IFNを強く誘導した。2.多くのラボラトリー適合株はVero細胞(IFN誘導不可株)で継代培養されていた。3.麻疹ウィルスの樹状細胞(mDC)感染効率はIFN非誘導株において高かった。4.以上から麻疹ウィルスワクチン株、ラボラトリー適合株のIFN誘導能をmDCで(1)Genechip解析,(2)IRF-3活性化測定、(3)type I IFN産生、(4)TLR3経路関連分子のRNAiノックダウンにより調べることを試みた。(5)さらにSLAM,CD46、TGマウスを用いてin vivo感染実験を行った。結果、in vivoで麻疹ウィルスはmDCを初期感染のキャリアとする。In vitro RNAiで麻疹ウィルスはTICAM-1(TLR3のアダプター)の下流、NAP1(IKKε,TBK1)複合体そのものかその上流を標的とする。IRF-3の活性化は野外株の麻疹ウィルス感染で完全に抑制されるが、ワクチン株、ラボラトリー適合株では抑制されない。TLR3/TICAM-1は麻疹ウイルス依存性のIRF-3活性化に影響しない。従って細胞内のRIG-IファミリーがNAP-1複合体を活性化する可能性が高い(検証中)。以上から、「はしかに罹るマウス」に必要な分子のTGを検討中である。
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Research Products
(32 results)