2005 Fiscal Year Annual Research Report
麻疹ウイルスによるI型インターフェロン誘導の分子機構:TLRシグナリングの関与
Project/Area Number |
15390154
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Research Institution | HOKKAIDO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
瀬谷 司 北海道大学, 大学院・医学研究科, 教授 (10301805)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 美佐子 北海道大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (30332456)
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Keywords | 麻疹ウイルス / TLR3 / 骨髄性樹状細胞 / dsRNA / CD46 / SLAM / IRF-3 / IFN-β |
Research Abstract |
麻疹ウイルス(MV)が免疫抑制を宿主に誘起するメカニズムをTLR/自然免疫-樹状細胞(mDC)の観点から解析した。ツールとしてCD46 TG,CD150 TGマウスを作製し、「はしかに罹るマウス」の作製を本研究の主要テーマとした。結果(Shingai et al.,2005)を報告する。 ヒトのCD46,CD150をgenomeから取って約400kbのgenomic clonesをマウス胚に移植して漸く高発現の個体が得られた。このCD46 TG,CD150TGマウスはMVの野外株、ワクチン株いずれにも個体レベルで感染しなかった。マウス骨髄から誘導したmDCが最もMVに抵抗性であることが判明した。mDCはTLRなどに依存して抗ウイルスのinterferon type I(IFN)を誘導する。そこでIFNAR-/-マウスの背景で(CD46+/CD150+/IFNAR- triple mutantマウスを作製して)MV感染実験を試みた。ウイルスをi.v.,i.pするとspleen, lymphnodeに樹状細胞(CD11c+)の集積した感染巣が形成された。経時的にリンパ球が感染することが判明した。即ち、MV感染の初期過程は樹状細胞が担い、IFNが強力な防御因子として働く。免疫抑制はこの初期過程に関与する可能性を考慮して進める予定である。ただし、マウス感染個体は無症状に見えるのでヒトと異なって、マウスにMVは発症しない可能性もある。
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Research Products
(16 results)