2003 Fiscal Year Annual Research Report
膜型レクチン分子による免疫細胞機能制御についての研究
Project/Area Number |
15390158
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
鍔田 武志 東京医科歯科大学, 大学院・疾患生命科学研究部, 教授 (80197756)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
饗場 祐一 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 助手 (00273516)
安達 貴弘 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 助教授 (50222625)
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Keywords | Bリンパ球 / BCR / CD22 / シグナル伝達 / 免疫グロブリン / アイソタイプ / 抗体産生 / レクチン |
Research Abstract |
CD22はBリンパ球に特異的に発現する膜分子で、α2-6シアル酸を認識するレクチン分子であり、細胞内領域にチロシン抑制モチーフ(immunoreceptor tyrosine based-inhibition motif ; ITIM)を持つ抑制性膜型レクチン分子である。CD22はIgM型のB細胞抗原受容体(B cell receptor ; BCR)とB細胞上で会合し、IgM-BCRを介するシグナルを負に制御する。我々は、CD22がIgM-BCRおよびIgD-BCRを介するシグナルを負に制御するが、IgG-BCRを介するシグナルを負に制御せず、CD22が免疫グロブリンクラス特異的なBCRシグナル制御に関与することを示した。次いで、CD22がIgA-BCRを介するシグナルを負に制御するが、IgE-BCRを介するシグナルは負に制御しないことを明らかにし、IgAやIgM産生について、IgGやIgEといった誘導性Igクラスとは異なる恒常的な免疫グロブリン(Ig)産生にCD22が関与することを示唆した。また、膜型IgMと膜型IgDでは細胞内領域が3アミノ酸しかないが、膜型IgAでは14アミノ酸、IgGおよびIgEでは28アミノ酸からなる細胞内領域がある。IgMと他のクラスの膜型Igの細胞内領域のキメラ分子を作成した解析したところ、IgGおよびIgEの細胞内領域はCD22によるシグナル制御を阻害するのに必要かつ十分であった。一方IgAの細胞内領域はCD22によるシグナル抑制を阻害しなかった。これらの結果は、免疫グロブリンクラス特異的なBCRシグナル制御に膜型免疫グロブリンの細胞内領域が重要であることを示している。膜型免疫グロブリンの細胞内領域はCD22によるシグナル抑制の制御を介して、抗体産生パターンの形成に関与する可能性が示された。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Suzuki, A, Kaisho, T., Ohishi, M., Tsukio-Yamaguchi, M., Tsubata T., Koni, P.A., Sasaki, T., Mak, T.W., Nakano, T。: "Critical roles of Pten in B cell homeostasis and immunoglobulin class switch recombination."J.Exp.Med.. 197. 657-667 (2003)
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[Publications] Hokazono, Y., Adachi, T., Wabl, M., Tada, N., Amagasa, T., Tsubata T.: "Inhibitory co-receptors activated by antigens but not by anti immunoglobulin heavy chain antibodies install requirement of co-stimulation through CD40 for survival and proliferation of B cells."J.Immunol.. 171. 1835-1843 (2003)
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[Publications] Hirai, H., Adachi, T., Tsubata, T.: "Involvement of cell cycle progression in survaival signaling through CD40 inB lymphocyte line WEHI-231."Cell.Death.Differ. 11. 261-269 (2003)