2004 Fiscal Year Annual Research Report
インスリン様増殖因子(IGF)と大腸前がん病変に関する分子疫学的研究
Project/Area Number |
15390204
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
古野 純典 九州大学, 大学院・医学研究院, 教授 (70128015)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
溝上 哲也 九州大学, 大学院・医学研究院, 助教授 (60269074)
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Keywords | IGF / インスリン / 遺伝子多型 / 大腸線種 / 大腸がん / 疫学 |
Research Abstract |
大腸発がんにおけるインスリン様増殖因子IGF-Iと結合蛋白IGFBP-3の役割を明らかにする目的で、大腸内視鏡検査が非選択的に実施されている職域集団において、保存試料を用いて、血中IGF-I、IGFBP-3およびC-ペプチドの測定をおこなった。1997年1月〜2002年3月の期間の受診者3408名のうち、血液提供を受けた3370名について血中IGF-I、IGFBP-3およびCペプチドの測定を終了した。慢'性肝炎・肝硬変有病者ではIGF-IおよびIGFBP-3ともに低値であった。生活習慣要因との関連を検討する場合には肝機能検査値も考慮して検討することが必要であることが明確になった。肥満度指標body mass indexならびに腹囲・臀囲比がIGF-1およびIGFBP-3と強く関連していることが明確になった。しかし、高度肥満者ではIGF-I、IGFBP-3ともに低下傾向が見られた。 大腸腺腫症例599例と大腸内視鏡異常なしの対照例1466例について、C-ペプチド、IGF-IおよびIGFBP-3との関連を検討した。IGF-I、IGFBP-3のいずれについても大腸腺腫との明らかな関連は見られなかったが、C-ペプチド高値の者で大腸腺腫リスクの高まりが観察された。高インスリン血症が大腸発がんに関与していることを支持する結果である。IGF関連の遺伝子多型を含めて、大腸発がんと関連する遺伝子多型の解析を系統的に進めているが、胆汁酸代謝酵素CYP7A1の遺伝子多型が右側結腸腺腫リスクの低下と関連していることが判明した。この結果を受けて、血中胆汁酸の測定法確立を急いでいる。 データ収集は2002年4月以降も継続しており、2004年3月までの調査例の合計2423名の生活習慣調査及び医学検査データの整備をおこなった。2004年4月以降も調査を継続している。
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Research Products
(6 results)