2005 Fiscal Year Annual Research Report
プロテアーゼと糖鎖構造物質の脳病変への関与とそれらの法医病理診断への応用
Project/Area Number |
15390212
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
西 克治 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (60073681)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高津 光洋 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (60010089)
大久保 岩男 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (80152073)
賀佐 伸省 札幌医科大学, 医学部, 教授 (10142712)
山本 好男 滋賀医科大学, 医学部, 助手 (60111902)
池本 桂子 福島県立医科大学, 医学部, 講師 (90184449)
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Keywords | プロスタグランヂンD2合成 / βトレイス / 睡眠・窒息 / 脳虚血 / 法医病理学 / 脳幹網様体 / オリーブ・橋・小脳路 / SIDS |
Research Abstract |
ヒト脳脊髄液からβトレイスを抽出、精製を行い、ウサギに免疫し、精製した抗体を用い、ヒト脳でのβトレイスの分布を検索した。βトレイスは、アミノ酸配列検査の結果、プロスタグランヂンD2合成酵素(PGDS)であることが判明している。プロスタグランヂンD2は、早石修先生らのラットでの検討で、睡眠を調節する物質で、ラットでは脈絡叢やグリア細胞で合成されると報告されている。我々の作成した抗体は、ラットの脈絡叢とグリア綿胞を強く染色し、早石らの報告を確認できた。 一方で、抗体は、古くから睡眠深い関連があるとされている脳幹網様体が存在する延髄・橋のオリーブ核等の諸神経核神経細胞及び小脳プルキンエ細胞と小脳歯状核神経細胞に顕著な染色性を示した。PGDSのこれら神経細胞での発現は、世界初の報告であり、現在印刷中。慢性低酸素状態で死亡されたヒトのプルキンエ細胞ではこの酵素の発現が極めて乏しく、遷延性窒息や脳虚血、さらにはSIDSの法医病理学的診断に本抗体応用の可能性が示された。また、PGDSはOlibo-pontal-cerebellumの機能発現に密接に関与している。さらに、脳脊髄液から抽出したCystatin C, Neuropoly peptide h3に対する抗体を作成、脳内での分布と疾病関連の検討を継続している。
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Research Products
(3 results)