2004 Fiscal Year Annual Research Report
サイトカインシグナル抑制因子による致死性エンドトキシン病態の治療と予防
Project/Area Number |
15390220
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Research Institution | HYOGO COLLEGE OF MEDICINE |
Principal Investigator |
筒井 ひろ子 兵庫医科大学, 医学部, 助教授 (40236914)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安田 好文 兵庫医科大学, 医学部, 助手 (50333539)
中西 憲司 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (60172350)
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Keywords | Toll様受容体 / 肝再生 / SOCS / NK細胞 / IFN-γ / ケモカイン / MyD88 / 臓器ホメオスターシス |
Research Abstract |
(1)エンドトキシンをはじめとする病原性成分は、シグナル自然免疫受容体であるToll様受容体(TLR)により認識される。従来、マクロファージや樹状細胞がTLRを介した免疫応答の主たる実行細胞と考えられてきた。しかし、当該研究により、NK細胞もTLRを介したシグナル伝達を行うことを明らかにした。FACSソーティングしたマウス肝臓NK細胞を微量のIL-12とともに種々のTLRリガンドと共に培養すると、IFN-γやCCL3やCCL4などのケモカインの産生が観察された。また、これらの細胞は、TLRリガンド刺激によりNF-κBの核内移行を示した。マウスのクローン化NK細胞(LNK5E6細胞)を用いても同様の結果を得た。以上の結果から、NK細胞も、病原性分子を直接認識して、IFN-γをはじめとする炎症性サイトカイン並びにケモカインの産生を介して自然免疫応答に貢献する可能性が示唆された(投稿準備中)。 (2)TLRを介したシグナルは、種々の制御分子により抑制される。サイトカイン制御因子であるSOCS-1もTLRシグナルに対して負の制御を行う。ところで、当該研究で、TLRを介したシグナルが、肝細胞のホメオスターシスに必須であることを明らかにした。事実、TLRシグナルに必須のシグナルアダプター分子であるMyD88を欠損したマウスは、部分肝切除後の肝再生が不良で、肝再生に必須の再生誘導因子の発現も欠如していた。SOCS-1組み込んだベクターを投与して、このTLRシグナル依存性の肝再生プロセスに過剰なSOCS-1がどのような役割を果たすかを検討したところ、過剰なSOCS-1を発現したマウスは、肝再生不良であることが判明した。以上の結果から、TLRシグナルは臓器ホメオスターシスに必須で、SOCS-1はそのシグナルを制御することが判明した(Hepatology,41:443,2005)。
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Research Products
(15 results)