2005 Fiscal Year Annual Research Report
炎症性腸疾患における自然免疫機構の関与の解明とその制御
Project/Area Number |
15390223
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
高後 裕 旭川医科大学, 医学部, 教授 (10133183)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
綾部 時芳 旭川医科大学, 医学部, 寄附講座教員 (90301019)
蘆田 知史 旭川医科大学, 医学部, 講師 (50261409)
大竹 孝明 旭川医科大学, 医学部, 助手 (10359490)
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Keywords | 炎症性腸疾患 / 自然免疫 / 内因性抗菌ペプチド / クローン病 / 潰瘍性大腸炎 |
Research Abstract |
本年度は、ヒトの消化管における内因性抗菌ペプチドであるデフェンシンやカセリシジンなどによる感染防御機構を解析するとともに、炎症性腸疾患患者の病変消化管粘膜上皮における自然免疫機構の関与を検討した。 まず、パネート細胞の産生・分泌する内因性抗菌ペプチドおよび自然免疫認識受容体について、それらの分子発現と機能を解析した。炎症性腸疾患の病因・病態における自然免疫機構異常の関与の有無を解明するために、クローン病患者および潰瘍性大腸炎患者から、インフォームド・コンセントの下で小腸粘膜または大腸粘膜を得て、われわれの既報により小腸陰窩、小長絨毛または大腸陰窩を分離した。これらの分離材料からtotal RNAを抽出し、パネート細胞特異的<デフェンシン、カセリシジン・ファミリーおよび自然免疫系の微生物認識分子群の遺伝子発現を定量的に解析した結果、クローン病患者では、小腸陰窩におけるパネート細胞由来αデフェンシン遺伝子発現が健常対照者とは異なるパターンを示した。 さらに、内因性抗菌ペプチド制御を標的とする新たな炎症性腸疾患治療法開発の可能性を検討するため、健常対照者および炎症性腸疾患におけるαデフェンシン・ペプチドの解析を施行した。炎症性腸疾患患者の小腸粘膜から単離した陰窩細胞を用いて、細菌刺激、LPS等の細菌抗原刺激によるクローン病患者,潰瘍性大腸炎患者の単離小腸陰窩のパネート細胞分泌反応を検討し、内因性抗菌ペプチドの殺菌活性を解析した。健常対照者と比べて、クローン病患者では病変部近傍の小腸陰窩パネート細胞由来の自然免疫機能が低下していた。本研究で明らかになった自然免疫機能低下のメカニズムについて、解析中である。
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Research Products
(7 results)