2003 Fiscal Year Annual Research Report
ヒスタミンH2ガストリン受容体ダブル欠損マウスを用いた胃粘膜幹細胞分化増殖の解明
Project/Area Number |
15390227
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
石川 隆 東京大学, 保健管理センター, 講師 (50202958)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福嶋 康之 東京大学, 医学部附属病院, 医員
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Keywords | ヒスタミンH2受容体 / ノックアウトマウス / ガストリン受容体 / ダブル欠損マウス / 胃粘膜 |
Research Abstract |
ヒスタミンH2受容体とガストリン受容体の胃粘膜での役割を検討するために、10週齢の野生型マウス、ヒスタミンH2受容体(H2R)欠損マウス、ガストリン受容体(GR)欠損、ダブル欠損の各マウスの胃粘膜を用い、HE染色、PAS染色、免疫染色を行った。また、酸分泌測定のため、麻酔下で薬剤刺激よる胃酸分泌量、各種薬剤投与下の胃内pHを測定した。 野生型以外では、摂食・絶食に拘わらず血清ガストリン値が上昇した。ダブル欠損マウスの胃粘膜は、GR欠損マウスのそれに酷似し、壁細胞などの下方への増殖成分の減少による萎縮を認めた。しかし、ガストリン欠損マウスでの報告と異なり、表層粘液細胞は野生型と比べ有意に増多した。H2R欠損マウス、ランソプラゾール多量を負荷された野生型マウスと同様、両マウスで小型の壁細胞、頚部粘液細胞の増多を認めた。成熟した主細胞はGR欠損マウスには存在したが、ダブル欠損マウス、H2R欠損マウスでは殆ど認めなかった。ランソプラゾール負荷野生型マウスでは、成熟した主細胞が確認された。ダブル欠損マウスの胃内pHはGR欠損マウスのそれより高く、カルバコールに無反応であった。 現在得られている結論としては 1)GRは、胃粘膜全体の増殖・維持に必要である。 2)ガストリン以外のガストリン遺伝子産物を介するH2R非依存性の表層粘液細胞増多作用がある可能性がある。 3)H2Rは主細胞の分化に必要である。 4)カルバコール刺激胃酸分泌がGRを介する刺激に依存する。 他にも、現在興味深いデータが集積中であり、検討中である。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Fukushima Y, et al.: "Extremely early onset of ranitidine action on human histamine H2 receptors expressed in HEK293 cells."Digestion. 68. 145-152 (2003)
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[Publications] Fukushima Y, et al.: "Structural and functional characterization of gastric mucosa and central nervous system in histamine H_2 receptor-null mice"Eur J Pharmacol. 468. 47-58 (2003)
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[Publications] Tanaka Y, et al.: "Congenital absence of portal vein with multiple hypervascular nodular lesions in the liver."J Gastroenterol. 38. 288-294 (2003)