2004 Fiscal Year Annual Research Report
ヒスタミンH2ガストリン受容体ダブル欠損マウスを用いた胃粘膜幹細胞分化増殖機構の解明
Project/Area Number |
15390227
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
石川 隆 東京大学, 保健センター, 講師 (50202958)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福嶋 康之 東京大学, 医学部附属病院, 医員
立石 敬介 東京大学, 医学部附属病院, 医員
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Keywords | ヒスタミンH2受容体 / ガストリン受容体 / 胃粘膜 / 胃酸分泌 |
Research Abstract |
研究計画:ガストリン受容体欠損マウスとH2受容体欠損マウスを掛け合わせることにより、両遺伝子を欠損するマウス(ダブルKOマウス)を作製する。ヒスタミンH2受容体欠損マウス、ガストリン受容体欠損マウス、ダブルKOマウスを野生型とともに比較解析することにより、胃粘膜細胞の分化・増殖、また胃酸分泌機構についての解明を行う。また、両受容体とも胃以外にも多く発現しているので、中枢神経系にも焦点をあてて解析を行う。具体的には、1)各マウスの胃粘膜の病理学的、遺伝子工学的解析による胃の幹細胞からそれぞれ(表層粘液細胞、主細胞、壁細胞、内分泌細胞)の細胞への分化増殖のメカニズムの解明、2)それぞれの欠損マウスでの胃酸分泌機構の解明、3)各種H2受容体拮抗薬のH2受容体を介さない作用の解明、4)各マウスの中枢機能の解析を目的とした。 研究結果 ヒスタミンH2受容体が主細胞の分化特にペプシノーゲンの産性に必要であること、ガストリン17以外のガストリン遺伝子産物、おそらくglycine-extended gastrinが表層粘液細胞の増多に必要であること、ヒスタミンH2受容体遺伝子欠損マウスでの胃の肥大は、ガストリンの作用であること、胃酸分泌におけるガストリン受容体ζヒスタミンH2受容体との関係が分かっている。3)と4)についても継続中である。また、腎臓にヒスタミンH2受容体が存在することが明らかになり、腎臓での同受容体の役割についても検討しているところである。 現在、胃酸分泌機能の研究は日本では以前より盛んではなくなっているが、今後はピロリ菌がなくなるので胃酸分泌が新たな関心を呼ぶものと思われる。本研究の成果は、胃酸分泌機構の解析において有用な情報をもたらすものと期待される。
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Research Products
(5 results)