2004 Fiscal Year Annual Research Report
腸管粘膜免疫制御と上皮再生の特殊機構解明を基盤とした慢性大腸疾患新規治療法の開発
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15390229
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
渡辺 守 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (10175127)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 哲也 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (70265809)
東 みゆき 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (90255654)
石川 博通 慶応義塾大学, 医学部, 教授 (20051667)
清野 宏 東京大学, 医科学研究所, 教授 (10271032)
半田 宏 東京工業大学, 大学院・生命理工学フロンティア創造共同研究センター, 教授 (80107432)
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Keywords | 消化管粘膜免疫 / 粘膜IL-7 / IL-7レセプター機構 / 腸管上皮細胞分化 / サイトカイン / Interferon Regulatory Factor (IRF) / 転写因子 / 骨髄細胞transdifferentiation / 再生医療 |
Research Abstract |
本研究では腸管局所免疫調節および組織再生誘導の両者を統合した独自の知見に基づく慢性大腸炎新規治療開発を目指すものである。本年度も当初計画に沿った研究を遂行し一定の成果が得られた。IL-7が特に慢性大腸炎局所の粘膜リンパ球に強い増殖活性をもつことを見出した。また、IL-7がマウスで大腸炎を悪化させ、逆に抗IL-7レセプター抗体が大腸炎を改善させることから上皮によるIL-7産生が大腸炎発症に関わる可能性を示すとともに、IL-7レセプター高発現リンパ球が炎症性腸疾患の治療標的となる可能性を示した(Am J Physiol,2005,in press)。また現在、炎症局所リンパ球のIL-7依存性増殖が正常リンパ球と異なる細胞内シグナルを介するとの知見を見出し、解析を継続中である。腸管上皮細胞を用いヒトでのIL-7産生機構を初めて詳細に示し、a)IL-7遺伝子上流のIRF-Eを介する転写因子IRF-1/IRF-2による転写調節が重要であること、b)IRF-2は構成的、一方IRF-1は刺激依存性の各々独立したIL-7誘導因子であること、c)ヒト大腸上皮にIRF-1/IRF-2が特徴的局在をもち発現することなどを示し(Mol Cell Biol 2004)、IRF機能の人為的制御が慢性大腸炎治療法として有効である可能性を示すものとして一定の評価が得られた。現在さらに、腸管上皮におけるIRF蛋白標的遺伝子群の網羅的解析、ならびに上皮細胞分化とリンクしたIRF蛋白機能の詳細な解析を継続中である。腸管上皮再生をレスキューする機構として骨髄細胞の腸管上皮への分化が重要との独自の知見を発展させ、a)骨髄細胞が実際に腸管上皮機能細胞へ分化すること、b)骨髄細胞は未熟な上皮細胞として上皮修復にも関わること、さらに、c)これら骨髄由来細胞は特に分泌型上皮細胞(杯細胞など)への分化傾向を有することを新たに報告した(Gastroenterology,2005,in press)。これら成績は、今後の上皮再生医療、中でも分化系列特異的再生誘導療法につながるものと期待される。
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Research Products
(6 results)