2003 Fiscal Year Annual Research Report
心血管病治療の新しい標的としての高レムナントリポ蛋白血症の臨床的意義に関する研究
Project/Area Number |
15390244
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
久木山 清貴 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 教授 (00225129)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長田 満 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 助手 (40311691)
高野 一 山梨大学, 医学部附属病院, 講師 (20362064)
梅谷 健 山梨大学, 医学部附属病院, 講師 (40262654)
尾畑 純栄 山梨大学, 医学部附属病院, 助手 (60362076)
川端 健一 山梨大学, 大学院・医学工学総合研究部, 助手 (30345706)
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Keywords | 高脂血症 / 動脈硬化 / レムナントリポ蛋白 / 虚血性心疾患 |
Research Abstract |
レムナントリポ蛋白は強力な動脈硬化因子であることが知られていたが、その血中濃度の計測は複雑で困難であったために、臨床的な解析は充分進んでいなかった。1990年代に本邦で開発されたレムナント様リポ蛋白(Remnant-like lipoprotein particles ; RLP)測定法は簡便で信頼性が高く、急速に普及した。我々は本法を用いて分離したレムナントリポ蛋白が、冠動脈内皮NOを低下させることで冠動脈血流量を低下させること、血管内皮細胞における接着因子および組織因子の発現を亢進させることで冠動脈血栓形成を促進させることを基礎的実験系および臨床的検討にて明らかにした。さらに高レムナントリポ蛋白血症は将来の心臓突然死を含めた冠動脈イベントの独立した予測因子であることを前向き予後調査によって明らかにした。この研究のサブグループ解析にて糖尿病および閉経後女性に合併する虚血性心疾患において、将来の冠イベントの独立した予知因子であることが示された。さらに、高レムナント様リポ蛋白血症は頸動脈の不安定粥腫(頸部超音波検査によって検出)の独立した危険因子であり、脳梗塞の発症に関わっている可能性が示された。山梨県内の複数の循環器診療施設にて、高レムナントリポ蛋白血症を合併する虚血性心疾患例をスタチン剤またはフィブラート剤投与群の2群に分ける前向き追跡ランダム化比較臨床試験を行っている。半年経過した現在、約150例がエントリーされている。一部の症例では治療開始後1ヶ月目で脂質プロフィールを測定しているが、RLPコレステロール値の低下の程度はアトルバスタチン投与群で-32%、ベザフィブラート投与群で-50%、プラバスタチン投与群で-8%であった。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Hironobu Fukushima, et al.: "Prognostic value of remnant-like lipoprotein particles levels in patients with coronary artery disease and type 2 diabetes mellitus."J Am Coll Cardiol. (In press). (2004)
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[Publications] Osamu Honda, et al.: "Echolucent carotid plaques predict presence of complex coronary plaques and future coronary events in patients with coronary artery disease."J Am Coll Cardiol. (In press). (2004)