2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15390248
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
小川 久雄 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 教授 (50177135)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉村 道博 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 助教授 (30264295)
坂本 知宏 熊本大学, 医学部附属病院, 講師 (00301375)
杉山 正悟 熊本大学, 医学部附属病院, 助手 (90274711)
中山 雅文 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 助手 (30346986)
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Keywords | 急性冠症候群 / 不安定プラーク / 予測因子(マーカー) / 末梢血単核球 / 冠動脈アテローム切除術(DCA) / DNAチップ / 免疫組織染色 / Real-Time PCR |
Research Abstract |
【急性冠症候群症例におけるDNAチップの結果】本研究の第一段階として、我々は不安定プラークの存在予測をするのに最も適したマーカーを特定するために急性冠症候群の急性期と慢性期において末梢血より単核球を分離し総RNAを抽出し、26600の遺伝子について、その遺伝子発現を検討した。症例は、急性心筋梗塞、不安定狭心症の2症例を対象として行った。結果としてはOntologyを用いたクラスター解析の結果、Macrophage Scavenger Receptor A (SR-A)が最も適切なマーカーであると判断した。【臨床症例におけるSR-A遺伝子発現の検討】対照群12例、安定労作狭心症症例10例、急性冠症候群症例16例について単核球におけるSR-Aの遺伝子発現を定量的Real-Time PCRを用いて検討した。結果は急性冠症候群のみでSR-A遺伝子発現の有意な上昇が認められた。対照群と安定労作狭心症とにSR-A遺伝子発現に有意な差はなかった。【冠動脈アテローム切除術サンプルを用いた検討】心臓カテーテル法を用いた冠動脈アテローム切除術(DCA)によって得られた不安定な動脈硬化巣のサンプルに用いてSR-Aの存在を免疫組織染色法により確認した。結果、不安定プラークに分布するマクロファージに一致してSR-Aの発現が認められた。さらに、不安定狭心症症例13例の不安定プラークと安定労作狭心症症例10例のプラークにおけるSR-A遺伝子の発現について定量的Real-Time PCRを用いて検討した。その結果、不安定狭心症症例におけるプラークのSR-A遺伝子発現が安定労作狭心症症例の遺伝子発現に比べて有意に高かった。【総括】SR-Aの遺伝子発現は不安定プラークに存在し、SR-Aを発現したマクロファージが末梢血に漏出し、末梢血における単核球中のSR-A遺伝子発現が上昇する可能性が示唆された。今後、より簡便な、フローサイトメトリーなどの方法を導入する必要がある。それらの簡便な方法により、より多くの症例で確認する予定である。その上で、末梢血におけるSR-Aの発現を不安定プラークの存在予測をするマーカーとする手法の実用化を予定している。
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Research Products
(6 results)