2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15390249
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
吉村 道博 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 助教授 (30264295)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小川 久雄 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 教授 (50177135)
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Keywords | アルドステロン / デハイドロエピアンドロステロン / ACTH / 心不全 / 高血圧 / ACE / ACE2 |
Research Abstract |
心不全や高血圧において、循環Aldosteroneのみならず心血管組織でのAldosterone合成が病態生理学的意義を有すると思われるようになっている。我々は、ヒト心臓におけるSteroid合成系に関して、健常心からはDehydroepiandrosterone (DHEA)が、不全心や高血圧心からはAldosteroneが微量ながら合成・分泌されることを示した(Circulation 2004)。この2つのステロイド合成カスケードが心臓の状態によってスイッチングを起こすことは、ある意味では心臓組織が健常な時は副腎の網状層としての特徴を有しているが、不全心になるといわゆる球状層化することを意味する。これは心臓を副腎の特徴に重ね合わせるという大きな概念の変化を齎すものである。 我々は更なる心臓の可能性を探る為に、ホルモン臓器としての心臓研究を続けた結果、ヒト心臓(高血圧心)からのACTH合成能を確認した(J Hypertens 2005)。心室からのACTHの分泌量は血圧の程度と有意に相関していることから、本態性高血圧の成因に何らかの関与が示唆される。また、心臓ACTH合成と心臓Aldosterone合成は正の相関関係にあり、心臓では副腎と異なり、ACTHはAldosteroneの合成を促進し続ける可能性がある。総じて、当該研究にて心臓RAA系研究のみならず心臓HPA系研究という新たなる道筋が確立された。 一方、Aldosteroneの作用に関して新知見が得られた。我々は以前にAldosteroneがACE遺伝子を発現亢進させることを報告しているが(Circulation 2001)、本研究においてAldosteroneがMR受容体を介してACE2遺伝子発現を抑制することを確認した。ACEの亢進およびACE2の抑制はAIIの生成を上げ、Ang1-7の生成を抑制する可能性がある。つまり、RAA系における更なる悪循環系の存在を示しており、ACE2は今後の治療の介入ポイントになる可能性がある。
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Research Products
(2 results)