2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15390258
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Research Institution | Dokkyo Medical University |
Principal Investigator |
福田 健 獨協医科大学, 医学部, 教授 (90088873)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福島 康次 獨協医科大学, 医学部, 助教授 (00254996)
有馬 雅史 千葉大学, 大学院・医学研究院, 講師 (00202763)
徳久 剛史 千葉大学, 大学院・医学研究院, 教授 (20134364)
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Keywords | 間質性肺炎 / BCL6 / 転写制御因子 / リンパ球 / 気道上皮細胞 / トランスジェニックマウス / ノックアウトマウス |
Research Abstract |
間質性肺炎の肺上皮細胞の繰り返す傷害・損傷は線維化の発症および進行に重要な役割を果たす可能性が考えられている。特にヘルパーT細胞由来のサイトカインは間質性肺炎の病態に深く関わる因子であると考えられているが、その作用機序は不明である。本研究ではT細胞のサイトカインの産生に対する抑制的な機能を持つ転写制御因子BCL6の間質性肺炎の発症における役割を明らかにすることを目的とする。 (1)卵白アルブミン(OVA)感作マウスのブレオマイシンおよびOVA誘導性肺線維症に対するリンパ球の機能を解析した。その結果、BCL6トランスジェニックマウスでは肺炎症が抑制されることが明らかになった観察された。その機序として、BCL6トランスジェニックマウスはlckプロモーターを利用しているため、サイトカイン産生の減少はリンパ球に限定されることから、間質性肺炎・肺繊維化にはヘルパーT細胞が重要な役割を果たすと考えられた。 (2)CD4Tリンパ球のサイトカイン産生や増殖および細胞死に対するBCL6の役割について解析した。継代培養したBCL6ノックアウト(Ko)マウス由来のTh1はおよびTh2細胞は野生型に比べてサイトカイン産生が増強し、細胞死の増加を認め、活性化の亢進を呈した。 (3)BCL6Koマウスの気道上皮細胞は野生型と比べて扁平化し正常の気道粘膜の構造の破綻を示す所見を認めた。 以上の結果より、BCL6はリンパ球や気道上皮細胞の機能の恒常性の維持を制御する転写制御因子であり、その作用の破綻は間質性肺炎・肺線維症の発症に関与すると考えられた。
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Research Products
(2 results)