2003 Fiscal Year Annual Research Report
慢性喫煙曝露により誘導されるマウス気道リモデリングの解析
Project/Area Number |
15390259
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
福地 義之助 順天堂大学, 医学部, 教授 (80010156)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 和久 順天堂大学, 医学部, 助教授 (80245711)
瀬山 邦明 順天堂大学, 医学部, 講師 (10226681)
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Keywords | COPD / 肺気腫 / 気道炎症 / 慢性喫煙曝露 / 炎症性サイトカイン / ニトロチロシン / 粘液細胞 |
Research Abstract |
加齢促進マウス(SAMP1マウス)と対照マウス(SAMR1マウス:SAMP1と同系統マウスであるが正常加齢を示すマウス)(雄、3ヶ月齢、4匹)を用い、ケンタッキー大学研究用タバコ1R1を使用し1.0%タバコ煙を1目30分、週5日間、8週間継続して吸入曝露させた。BAL液中の総細胞数は、SAMP1とSAMR1の両群において喫煙による有意な増加を認めなかった。一方、定圧固定した肺組織標本では、SAMP1では平均肺胞径(MLI)が喫煙群で有意に増加したが(平均±SE、86.4±1.4μmvs.78.5±1.2μm、p=0.0079)、SAMR1では喫煙群と非喫煙群に有意差を認めなかった(75.2±1.7μmvs.73.8±2.7μm、p=0.604)(図2)。肺胞破壊指数(DI)はSAMP1の喫煙群で14.3%と有意な破壊が検出されたが、SAMP1の非喫煙群、SAMR1の喫煙・非喫煙群では有意な肺胞破壊(DI≧10%)を検出しなかった。慢性喫煙曝露前後でのBAL液中のTNFαやエラスターゼ活性はSAMP1の喫煙群・非喫煙群間において有意差を認めなかったが、グルタチオン濃度は喫煙により有意に低下した。喫煙前後での気道炎症に関しては、HE染色では喫煙群で気道上皮細胞の剥脱、扁平化が認められ、定量的評価を行う予定である。ニトロチロシン抗体を用いて免疫染色を行ったが、喫煙群・非喫煙群間において有意差を認めなかった。アルシアンブルー・PAS染色を行い杯細胞や粘液産生細胞数を検討したが、過形成は認めなかった。鍍銀染色により基底膜肥厚の有無、Masson-Trichrome染色により気道周囲平滑筋細胞の過形成を検討する予定である。気道上皮細胞の増殖動態を検討するため、Ki67、TTF-1、HHF-1などの増殖マーカーの免疫染色を施行中である。
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