2004 Fiscal Year Annual Research Report
慢性喫煙曝露により誘導されるマウス気道リモデリングの解析
Project/Area Number |
15390259
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Research Institution | JUNTENDO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
福地 義之助 順天堂大学, 医学部, 教授 (80010156)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
瀬山 邦明 順天堂大学, 医学部, 講師 (10226681)
高橋 和久 順天堂大学, 医学部, 助教授 (80245711)
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Keywords | COPD / 肺気腫 / 気道炎症 / 慢性喫煙暴露 / 炎症性サイトカイン / 分子修飾 |
Research Abstract |
COPD発症の危険因子として加齢と慢性タバコ煙曝露の両因子を重視し、加齢促進マウス(SMP30-KOマウスおよびSAMP1マウス)に2ヶ月間の喫煙を負荷後に気道炎症、肺気腫形成を検討した。喫煙群と非喫煙群の気道病理所見をHE染色、鍍銀染色、Azan Mallory染色、アルシアンブルー・PAS染色により検討したが、扁平上皮化生、杯細胞化生はあまり検出されなかった。また、基底膜や気道周囲の平滑筋細胞の過形成も顕著な所見は得られなかった。気道上皮の傷害・再生の指標としてTTF-1、Ki67等の核内転写因子や増殖マーカーを検討したが顕著な変化は認められなかった。喫煙期間が2ヶ月間と比較的短期間で肺気腫が発生するのに対し、気道病変の成立には期間としては不十分な可能性、あるいはマウス気道はCC10で染色すると60-70%がクララ細胞でしめられヒト気道上皮の主要構成成分である繊毛上皮細胞が非常に少ないことが原因と思われた。喫煙に伴う炎症マーカーとしてカルボニル化蛋白質、シトルリン化蛋白質等の分子修飾を検討した結果、SMP30-KOマウスでは月齢と共に肺内カルボニル化蛋白質が増加することが明らかとなり、現在喫煙暴露後の変動を検討する予定である。一方、SAMP1(加齢肺モデルマウス)とSAMR1(対照マウス)を用いて喫煙負荷により肺で発現が亢進あるいは減少する遺伝群をマイクロアレイにより網羅的に検討するため、3,6,12ヶ月例での加齢に伴う遺伝子発現を比較検討した結果、約2%の遺伝子発現に変化があり、さらにこのうち喫煙でどのような変動が生じるか検討中である。
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Research Products
(8 results)