2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15390264
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
伊藤 貞嘉 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (40271613)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阿部 高明 東北大学, 医学部附属病院, 講師 (80292209)
有馬 秀二 東北大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (60323010)
|
Keywords | アデノシン / レニン / アルドステロン / 輸入細動脈 |
Research Abstract |
心疾患と腎疾患の間には極めて密接な関係があり、両者はしばしば合併する。心不全や腎機能障害の進展にはレニン・アンジオテンシン・アルドステロン系(RAAS)が重要な役割を果たし、動物実験においても、臨床研究においても、RAASを抑制することにより生命予後やの改善や、腎不全への進行の抑制が認められている。また、最近では、従来のACE阻害薬やアンジオテンシン受容体阻害薬(ARB)に加え、アルドステロン拮抗薬の効果も認められている。本研究は、心不全と腎不全の間に存在する病態生理を解明することを大きな目的としている。 アルドステロンの非ゲノム作用:アルドステロンは従来細胞質にある鉱質コルチコイド受容体に結合し、核における転写を促進し、新しい蛋白合成を介して作用を発揮すると考えられていた。最近では、それに加え日ゲノム作用が血管平滑筋細胞なども用いた実験で示されている。我々は、ウサギから単離しin vitroで灌流した輸入および輸出細動脈において、アルドステロンが5分以内に血管収縮を引き起こし、10分で最大に達し、アルドステロンを洗い流すと30分以内にもとの血管内径に戻ることを観察した。輸出細動脈も同様であった。この作用は、鉱質コルチコイド受容体阻害薬では阻止できず、フォスフォリパーゼCで阻止された。輸入細動脈では内皮の除去で収縮作用が増強された。 食塩感受性ラット(SSR)に対するアデノシン拮抗薬の効果:SSRに高食塩食を与えると血圧が上昇し、心不全をおこして短期間に死亡していく。今回、それに対して、アデノシン拮抗薬、ACE阻害、または両者の併用で治療しその効果を検討している。まだ、完全にデータはそろっていないが、すべての群で死亡がほとんど見られなくなった。また血圧の上昇も抑制されるとともに、尿蛋白の出現も減少した。現在、腎組織の検討を行っている。
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] Ogawa S, Takeuchi K, Ito S.: "Plasma ENP Levels in the Treatment of Type 2 Diabetes with Pioglitazone"J Clin Endocrinol Metab. 88(8). 3993-3996 (2003)
-
[Publications] Ishizuka T, Ito O, Ito S, et al.: "Regulation of Cytochrome P-450 4A Activity by Peroxisome Proliferator-Activated Receptors in the Rat Kidney"Hypertens Res. 26. 929-936 (2003)
-
[Publications] Arima S, Ito S.: "The Mechanisms Underlying Altered Vascular Resistance of Glomerular Afferent and Efferent Arterioles in Diabetic Nephropathy"Nephrol Dial Transplant. 18. 1966-1969 (2003)
-
[Publications] Arima S, Kohagura K, Ito S, et al.: "Nongenomic Vascular Action of Aldosterone in the Glomerular Microcirculation"J Am Soc Nephrol. 14. 2255-2263 (2003)
-
[Publications] Arima S, Kohagura K, Ito S, et al.: "Endothelium-derived Nitric Oxide Modulates Vascular Action of Aldosterone in Renal Arteriole"Hypertens. 43(2). 352-357 (2004)
-
[Publications] Suzuki T, Mikkaichi T, Ito S, et al.: "Isolation and Characterization of Novel Kidney-Specific Digoxin Transporters"Proc.Natl.Acad Sci U.S.A.. (in press). (2004)