2004 Fiscal Year Annual Research Report
メサンギウム細胞合胞体の機能解析から糸球体硬化進展機構解明への展開
Project/Area Number |
15390266
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
追手 巍 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (60018744)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森岡 哲夫 新潟大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (00210146)
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Keywords | 腎糸球体 / メサンギウム細胞 / 合胞体 / ギャップ結合 / 糸球体硬化 / 実験動物モデル / 微小循環動態解析 / 機能制御破綻 |
Research Abstract |
1.進行性腎糸球体硬化症(腎不全に至るモデル)をEGFP-transgenic rat : EGFP(-) ratにEGFP(+) ratの骨髄細胞を移植したキメララットに惹起する(Kidney Int 61:432,2002に準じて)。抗メサンギウム細胞抗体を投与し、片腎摘出群(過剰かん流群;腎不全群)、擬似手術群(正常かん流群;治癒群)に分け、経時的に腎糸球体及び間質における骨髄細胞の障害・修復の過程における関与を検索した。その結果、従来から言われていたメサンギウム細胞だけでなく、糸球体内皮細胞も骨髄由来血管内皮前駆細胞により修復されていることが判明した(Ikarashi K et.al Kidney Int 2005,in press)。 2.上述の腎炎惹起性抗メサンギウム細胞抗体(単クローン抗体)の対応抗原エピトープを決定した(Morioka T et.al Kidney Int 66:2214-2223,2004)。この抗原は内皮細胞との接触部位に優位に発現する蛋白で、一種の接着分子的な機能蛋白で、抗体が結合すると細胞内Ca++量が増大し細胞伝達機能との関連が注目された。 3.STZ誘導糖尿病性腎症をMunich ratに惹起し、糸球体及び傍糸球体領域の微小循環動態の変移を共焦点レザー顕微鏡により生体解析した。またアンギオテンシン受容体(特にI受容体)拮抗剤を投与し、糸球体過剰濾過、糸球体高血圧を緩和した時の腎糸球体及び傍糸球体領域の微小循環動態の変移、治療効果を生理学的、病理免疫組織学的に検索した。その結果、糖尿病性腎症では糸球体高血圧、糸球体過剰かん流が進行と共に認められ、これらの現象は上述の薬剤投与により緩和された(Li B et.al Kedney Int 66:1939-1948,2004)。 4.進行性腎糸球体硬化症をMunich Wistar Ratに惹起する実験モデルで進行性糸球体硬化症に至る以前に糸球体内血流動態異常(乱流)が認められ、血管のshear stressが糸球体硬化病変形成に関与する可能性が示唆された(K.Kawamura et.al論文作成中)。 5.培養ヒト糸球体内皮細胞をSV40でtransformさせ不死化細胞株を確立した(Harada T et.al Nephron Exp Nephrol 99:e38-e45.2005)。これにより均一で大量の糸球体内皮細胞を培養実験に活用したり、細胞ELISA法による抗糸球体内皮細胞抗体測定の国際的統一化にも応用可能となった。
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Research Products
(4 results)