2006 Fiscal Year Annual Research Report
長期透析に伴う各種合併症の分子遺伝学的発症機序解明
Project/Area Number |
15390267
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
下条 文武 新潟大学, 医歯学総合病院, 教授 (20126410)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
成田 一衛 新潟大学, 医歯学系, 助教授 (20272817)
風間 順一郎 新潟大学, 医歯学総合病院, 講師 (10345499)
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Keywords | 慢性腎不全 / 透析療法 / 二次性副甲状腺機能亢進症 / 透析アミロイドーシス / 遺伝子多型 / 動脈硬化 / 長期透析 / 生命予後 |
Research Abstract |
本研究の目的は、長期透析症例に発生する各種の合併症を分子遺伝学的に予測し、その対策法のターゲットを特定することと、透析長期生存例の遺伝学的な背景を明らかにすることである。 申請者らの関連する新潟県内の施設では、約4,000名の患者が血液透析を受けており、特に20年以上の長期透析患者は300名以上(8.5%)と、世界的に見ても際だっている。これは本県の透析医療の充実を反映するものではあるが、一方では、長期透析症例の増加、透析患者の高齢化に伴い、透析アミロイドーシス、骨・関節の合併症、動脈硬化による心血管疾患などが増加している。 私共は、本年度までに県内の透析症例の詳細な臨床データと遺伝子を収集し、データーベースを作成し、同時に炎症性サイトカイン、脂質代謝、血管作動性物質などの遺伝子について多型を解析の解析を開始した。生命予後、透析アミロイドーシス、骨・関節の合併症、心血管疾患などに関する詳細なデータを経年的に収集し、透析開始時の臨床データ、治療内容、遺伝子多型データとともにデーターベース化した。様々な遺伝子多型が、非透析患者で心血管疾患や骨・関節疾患と関連することが報告されており、また透析アミロイドーシスでは炎症性サイトカインや糖化最終産物(AGE)化、カルボニールストレスの影響が指摘されている。これらの生体反応に関連する分子をコードする遺伝子について、遺伝子多型を解析し、臨床データとの関連解析を開始した。 本年度は、特に透析掻痒症が透析患者のQOLだけでなく、生命予後にも関連することを報告した(Kidney Int 2006)。また、10年未満と10年以上の透析歴を有する長期透析患者の前向き疫学研究を行い、それぞれの集団における予後因子を解析し報告した(Clin J Am Soc Nephrol, in press)。
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Research Products
(7 results)