2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15390270
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
今井 圓裕 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (00223305)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
猪阪 善隆 大阪大学, 医学部附属病院, 医員(臨床研究)
伊藤 孝仁 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (60362703)
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Keywords | 再生医療 / 幹細胞 / ネフロン / 概日リズム / 骨髄 / SP細胞 / レチノイン酸 / ネフリン |
Research Abstract |
平成14年度に開発したTornado Extraction法と命名した方法によって、ラットネフロンの発生・分化が生じる部位での発現遺伝子プロファイルを作成している。我々は、さらにPuromycin Aminonucleoside腎症の糸球体回復過程で発現変化する遺伝子のプロファイルと作成し、2つの結果を比較することにより、糸球体上皮細胞の再生に関わる重要な遺伝子候補を複数個得ることに成功した。現在、それらの機能と病態生理学的意義を解析中である。我々は、糸球体上皮細胞の分化・傷害からの修復においてレチノイン酸が重要であること、糸球体バリアー機能に必須のネフリン遺伝子に対して転写調節を促進することを明らかにしているが、上記のアプローチで同定した遺伝子の一部は、やはりレチノイン酸による制御を受けることが示唆されている。 腎実質中に存在すると期待される幹細胞を精製する目的で、ラット腎臓からHoechst33342色素染色抵抗性の細胞(SP細胞)を精製し、解析を行った。その結果、腎由来SP細胞の少なくとも一部は骨髄由来であること、in vivoへの移植により、血液細胞、骨格筋細胞、肝細胞に分化しうることを確認した。ただし、骨格筋細胞と肝細胞への分化については、移植した細胞が組織構成細胞と融合しただけの可能性も残されている。これまで、少なくとも我々が検討した限りにおいては、腎臓内SP細胞には腎尿細管上皮細胞あるいは糸球体メサンギウム細胞への分化活性が認められなかった。そのため、現在、腎臓内幹細胞の性質を個別に考えるのではなく、腎臓全体としての細胞増殖サイクルあるいはネフロンの構築維持に関わる制御機構を明らかにするべく研究を行っている。平成15年度の研究により、概日リズムに関わる遺伝子群がネフロンの細胞増殖を同調されていることを明らかにした。このメカニズムがきわめて重要であることを既に報告しており、平成16年度は分子レベルでメカニズム解明を行うべく現在実験中である。既にキイとなる分子を同定している。(799字)
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Iwatani H, Ito T, Imai E, Matsuzaki Y, Suzuki A, Yamato M, Okabe M, Hori: "Hematopoietic and Non-hematopoietic Potentials of Hoechstlow/Side Population Cells Isolated from Adult Rat Kidney"Kidney Int. (In press). (2004)
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[Publications] Nakajima H, Takenaka M, Kaimori JY, Hamano T, Iwatani H, Sugaya T, Ito T: "Activation of the signal transducer and activator of transcription signaling pathway in renal proximal tubular cells by albumin"J Am Soc Nephrol.. 15. 276-285 (2004)
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[Publications] Suzuki A, Iwatani H, Ito T, Imai E, Okabe M, Nakamura H, Isaka Y, Yamato M, Hori M.: "Platelet-derived growth factor plays a critical role to convert bone marrow cells into glomerular mesangial-like cells"Kidney Int. 65. 15-24 (2004)
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[Publications] Oseto S, Moriyama T, Kawada N, Nagatoya K, Takeji M, Ando A, Yamamoto T, Imai E, Hori M.: "Therapeutic effect of all-trans retinoic acid on rats with anti-GBM antibody glomerulonephritis"Kidney Int. 64. 1241-1252 (2003)
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[Publications] Kaimori JY, Takenaka M, Nakajima H, Hamano T, Horio M, Sugaya T, Ito T, Hori M, Okubo K, Imai E.: "Induction of glia maturation factor-beta in proximal tubular cells leads to vulnerability to oxidative injury through the p38 pathway and changes in antioxidant enzyme activities"J Biol Chem. 278. 33519-33527 (2003)
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[Publications] Suzuki A, Ito T, Imai E, Yamato M, Iwatani H, Kawachi H, Hori M.: "Retinoids regulate the repairing process of the podocytes in puromycin aminonucleoside-induced nephrotic rats"J Am Soc Nephrol.. 14. 981-991 (2003)
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[Publications] 伊藤孝仁, 岩谷博次, 今井圓裕: "Molecular Medicine臨時増刊vol40:191-199,再生医学(須田年生,岡野栄之編)"中山書店. 366 (2003)