Research Abstract |
昨年に引き続きてんかん原因遺伝子の最も有力な候補領域に存在する遺伝子に関して網羅的な変異検索を行った。昨年度はロッドスコアの最大値が5.4を示す原因遺伝子の存在する可能性が最も高いD8S1703からD8S1694までの約12Mbの第1候補領域上に存在する21遺伝子(FOG2,OXR1,STARS,ANGPT1,MGC35555,INT6,KIAA0103,FLJ30668,TRHR,CML66,DC6,PKHDK1,EBAG9,FLJ20366,KCNV1,CSMD3,TRPS1,EIF3SC,MGC14595,RAD21,SLC30A8)のべ293個のエキソンのコーディング部分に関して変異検索を行ったが、それらの中には変異は見出せなかった。本年度は第1候補領域から新たに発見した遺伝子AARD、およびそれと隣接しロッドスコアの最大値が3.2を示す第二候補領域6Mb中にある27遺伝子(THRAP6,EXT1,SAMD12,TNFRSF11B,COLEC10,MAL2,NOV,ENPP2,TAF2,MGC5528,DEPDC6,COL14A1,MRPL13,MTBP,SNTB1,HAS2,ZHX2,DER1,MGC21654,BJ-TSA-9,FLJ14825,ZHX1,ATAD2,FBXO32,ANXA13,FLJ23790,FLJ10204)を対象に変異検索を計画したが、同時に進めた多型解析の結果により第2領域のうち3遺伝子(ANXA13,FLJ23790,FLJ10204)は除外できたため、最終的に24遺伝子のべ約300エキソンを対象に変異検索を行った。しかし原因変異は見出せなかった。そこで次に調べた遺伝子のプロモーター領域、および第1、第2領域から見出した5個の非翻訳RNA遺伝子についても変異検索を行ったが原因変異は見出せなかった。さらに以上の遺伝子に対して、コピー数変化を調べるため定量PCRを行ったが,コピー数の異常は見られなかった。以上の結果からBAFMEの変異は遺伝子のイントロン部分や遺伝子間のスペーサー部分、あるいは同領域中の未同定遺伝子に存在する可能性が高い。
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