2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15390292
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
井上 金治 埼玉大学, 理学部, 教授 (50091963)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂井 貴文 埼玉大学, 理学部, 教授 (40235114)
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Keywords | プロラクチン放出ペプチド / ストレス反応 / 孤束核 / ニコチン / エストロゲン / ドーパミン / c-Fos / POMC |
Research Abstract |
本研究はプロラクチン放出ペプチド(PrRP)の神経内分泌学的機能解析をめざした。我々はこれまでの研究からPrRPは、延髄のA1およびA2のノルアドレナリン細胞および背内側核で産生され,ストレスを仲介するペプチドであることを明らかにしてきた。本年度は下記の項目の研究を行い以下のような結果を得た。 1,孤束核のPrRP細胞のストレス反応は30分間の拘束ストレスでも十分に反応することが明らかになった。また、このストレス反応はエストロゲンの投与により顕著に抑制されることが明らかになった。 2,孤束核のPrRP神経にproopiomelanocortin(POMC)神経が投射することを明らかにした。このことはPOMCの最終産物であるendorphinなどによってPrRP細胞のストレス反応が制御されることを示している。この現象はヒトを含む動物のストレス反応に生体麻薬物質が影響する事を示しており重要である。 3,PrRP神経細胞の神経線維が最後野に多く投射することから、最後野の機能として考えられている浸透圧や血糖調節とPrRPとの関連を調べた。浸透圧や血糖を種々の薬剤で変化させ孤束核のPrRP細胞のc-Fos活性を調べた。しかし何れの変化においても孤束核のPrRP細胞は変化しなかった。 4,PrRP細胞のストレス反応とニコチンとの関連を解明するために、ニコチン投与及びストレス負荷との組み合わせでPrRP細胞のc-Fos反応を調べた。この結果、ニコチンによりPrRP細胞の内c-Fos陽性細胞は増加したが顕著でなかった。これに対し、孤束核の非ドーパミン、非PrRP細胞の中でストレスとニコチン投与により顕著にc-Fosが上昇する細胞が見られた。この細胞の詳細については現在検討中。
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Research Products
(6 results)