2004 Fiscal Year Annual Research Report
カルシウム・リン代謝調節機構とその異常に関する研究
Project/Area Number |
15390293
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
福本 誠二 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (30202287)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹内 靖博 冲中記念成人病研究所, 研究員 (50202164)
中山 耕之介 埼玉医科大学, 医学部, 講師 (20322076)
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Keywords | FGF23 / 腫瘍性骨軟化症 / ノックアウトマウス / 慢性腎不全 / 高リン血症 |
Research Abstract |
繊維芽細胞増殖因子(fibroblast growth factor)23は、腫瘍性骨軟化症(tumor-induced osteomalacia : TIO)やX染色体優性低リン血症性くる病/骨軟化症など、複数の低リン血症性疾患の発症に関与することが明らかにされた液性因子である。実際FGF23は、腎尿細管でのリン再吸収を担う分子である2a型ナトリウム-リン共輸送体の発現を低下させリン再吸収を抑制することなどにより、低リン血症を惹起することが明らかにされている。TIOは、主として中胚葉系良性腫瘍に伴う腫瘍随伴症候群の一つである。本症惹起腫瘍はしばしば骨中に存在する小腫瘍であることから、その同定が困難な場合が少なくない。我々は、TIO惹起腫瘍近辺の静脈血中でFGF23濃度の上昇が認められることを明らかにし、血中FGF23濃度の測定がTIO惹起腫瘍の同定に有用である可能性を示した。一方FGF23の生理的意義については従来明らかではなく、FGF23ノックアウトマウスが作成された。FGF23ノックアウトマウスは、リン再吸収亢進による高リン血症を示したことから、FGF23は生理的にもリン再吸収や血中リン濃度を調節する液性因子であることが明らかとなった。さらに高リン血症を特徴とする慢性腎不全でもFGF23濃度は高値を示し、FGF23は慢性腎不全に伴うリンや骨代謝異常症の発症にも関与する可能性が明らかとなった。
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Research Products
(3 results)