2005 Fiscal Year Annual Research Report
甲状腺がんの発症分子機構の解明と分子標的治療の臨床応用
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15390295
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
難波 裕幸 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教授 (80237635)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大津留 晶 長崎大学, 医学部・歯学部附属病院, 助教授 (00233198)
中島 正洋 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 講師 (50284683)
高村 昇 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教授 (30295068)
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Keywords | 放射線 / 甲状腺がん / 国際ヒバクシャ医療活動 / 分子標的治療 / チェルノブイリ / トランスジェニックマウス / がん幹細胞 |
Research Abstract |
チェルノブイリの原発事故より20年が経過し、事故後5年で急増した小児甲状腺がんは、すでに発症年齢のピークが思春期から若年成人に移っている。しかし、依然として甲状腺がんの発症は増加している。比較的予後良好な経過をとる甲状腺がんの特徴ゆえに、2005年のIAEAの調査では、甲状腺がんで死亡した患者数は、現在までに10名と少ない。しかし遠隔転移を特徴とする小児甲状腺がんでは、将来的に再発する可能性が高く、通常の外科手術が適用にならない再発後の治療法が問題となる。そこで我々は、遺伝子発現プロフィールを用いて、悪性度、転移の有無を調べる方法を開発するための基礎研究をすすめる(Cancer Letter)とともに、悪性度の高い未分化甲状腺がんに対して放射線とc-ABL阻害薬を併用することでがん細胞の老化様の細胞増殖停止を誘発することを明らかにした(Thyroid, Radiation Research)。さらにin vitroで有意な甲状腺がん細胞死誘導作用をもつNF-kB阻害薬であるDHMEQが、in vivoでも有効なことを示すために、現在、甲状腺がん発症のモデルマウスであるBRAF発現トランスジェニックマウスおよびRet/PTC発現トランスジェニックマウスを用いてDHMEQの効果を判定する研究を実施中である。DHMEQの甲状腺がんに対する治療に関する特許はすでに取得しておりさらに実用化できるように基礎研究を進めてゆく。また、甲状腺がんの治療標的となる可能性を有するがん幹細胞の研究も同時に進めており、甲状腺がん細胞株でいわゆる幹細胞のマーカーとみなされているSP分画の細胞を確認できている。今後、これらの幹細胞の性状についてさらに検討を加える予定である。
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Research Products
(11 results)