2004 Fiscal Year Annual Research Report
再生不良性貧血における自己抗原の解析-自己抗体によって同定された造血幹細胞抗原におけるCD4陽性T細胞エピトープの同定-
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15390298
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
中尾 眞二 金沢大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (70217660)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石山 謙 金沢大学, 医学部附属病院, 助手 (60377380)
高見 昭良 金沢大学, 医学部附属病院, 助手 (80324078)
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Keywords | 再生不良性貧血 / 自己抗体 / DRS-1 / 慢性骨髄性白血病 |
Research Abstract |
平成15年度の研究により同定した再生不良性貧血の自己抗原候補80kD蛋白(特許出願中のため実名を伏す)が、再生不良性貧血の病態発生に果たす役割を明らかにするため、リコンビナントの80kD蛋白を作成し、この蛋白に対する血清中の抗体価をELISA法により測定した。その結果、再生不良性貧血患者43例中20例(46.5%)にこの蛋白に対する抗体が検出された。エピトープマッピングを行ったところaa 347-360(TKKAQQELEEQTRS)が抗体エピトープのホットスポットとして同定された。抗80kD抗体は、再生不良性貧血患者だけでなく、慢性関節リウマチ患者の約4割の患者血清中にも検出されることが知られている。慢性関節リウマチ患者血清中の抗モエシン抗体が同じエピトープを認識するかどうかについて現在検討を進めている。 一方、再生不良性貧血患者の血清中に検出された抗DRS-1抗体は、慢性骨髄性白血病(CML)患者の血摘中にも33例中14例(42%)に検山された。CML細胞株におけるDRS-1発現の有無を、DRS-1に対するモノクローナル抗体を用いたWestern blottingにより検索したところ、K562、KH88、KU812など検索した8細胞株のうち7細胞株がDRS-1を高発現していた。HLA-DR15によって提示されるDRS-1ペプチドと、抗DRS-1抗体陽性者の末梢血中核細胞を用いてDRS-1特異的CD4陽性T細胞を誘導し、DR15陽性のKH88に対する細胞障害性を検討したところ、T細胞の用量依存性にKH88が傷害された。これらの所見から、抗DRS-1抗体を持つHLA-DR15陽性CML患者においては、DRS-1特異的CD4陽性がCML幹細胞の抑制に関わっている可能性が示唆された。
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Research Products
(7 results)