2005 Fiscal Year Annual Research Report
FKHRL1を分子標的とした白血病治療法開発に向けての基礎的検討
Project/Area Number |
15390306
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
小松 則夫 山梨大学, 医学部附属病院, 教授 (50186798)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桐戸 敬太 山梨大学, 医学部附属病院, 助教授 (90306150)
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Keywords | FKHRL1 / FOXO3a / TRAIL / APL / apoptosis / drug-sensitivity / autocrine / all-trans retinoic acid |
Research Abstract |
Forkhead転写因子ファミリーはForkhead domainと呼ばれるDNA結合ドメインを有し、非常に広範な種で保存されており、胚形成、分化、腫瘍発生など生物にとって重要な機能を担っている。特に線虫に存在するDAF16は寿命に関わる分子として注目されている。我々はDAF16のヒトホモログFKHRL1が慢性骨髄性白血病CMLの責任分子であるBCR-ABLの下流に存在することを明らかにし、CML細胞の異常増殖と密接な関係があるのではないかと仮定した。そこでDNAマイクロアレイ法を用いてTRAILを含む数種類のFKHRL1の標的遺伝子を同定した。実際、タモキシフェン添加によって活性型FKHRL1を核内に誘導するとTRAILの発現が増加し、アポトーシスが誘導された。さらにイマチニブ感受性CML細胞株をイマチニブで処理するとTRAILの発現が認められた。これらの結果はイマチニブが殺細胞効果を発揮するにはFKHRL1によるTRAIL発現が重要であることを示唆している。一方、オールトランスレチノイン酸(ATRA)による急性前骨髄球性白血病のアポトーシスにはTRAILの発現が重要であると報告されている。この機構にFKHRL1が関与しているかどうかを検討するために急性前骨髄球性白血病細胞株NB4に優位抑制型FKHRL1cDNAやFKHRL1siRNAを遺伝子導入によってFKHRL1の機能・発現を抑制したところ、ATRAに対する感受性が低下し、親株でみられたTRAILの発現誘導も消失し、さらに成熟好中球への分化が抑制された。これらの結果からTRAILのオートクライン機構にはFKHRL1が関与し、この機構がイマチニブやATRAなどの抗癌剤感受性を決定していること、ATRAによる急性前骨髄球性白血病細胞の好中球への分化誘導にFKHRL1の活性化が中心的役割を果たしていることが明らかになった。
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Research Products
(6 results)