2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15390324
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
大薗 恵一 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (20270770)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中島 滋郎 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (30270771)
恵谷 ゆり 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (80346220)
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Keywords | 低身長 / 過成長 / ジーントラップ法 / PTPN11遺伝子 / 骨系統疾患 |
Research Abstract |
身長の規定因子の検討には、低身長とともに過成長も重要である。遺伝性過成長の代表的な疾患であるソトス症候群の病因として最近NSD1遺伝子が同定されたが、過成長をきたす機序は明らかでない。ソトス症候群の20年以上の長期にわたる自然経過を検討し乳児期の過成長と成人身長の正常化を認め論文として報告した。さらに症例の蓄積を行ない、NSD1遺伝子欠失例を2例、欠失の認められない症例を5例経過観察し、その臨床像の違いを検討中である。Weaver症候群はソトス症候群との異同が問題視され、NSD1遺伝子の異常を認めた例も報告されているが、経験症例ではNSD1遺伝子の異常はなく、成長パターンも異なることを報告した。さらに稀な過成長を合併するMarshall-Smith症候群も経験し、その過成長の原因を検討している。Noonan症候群およびLEOPARD症候群症例のPTPN11遺伝子検索の結果、5種類のアミノ酸置換変異を認めた。同遺伝子がコードするSHP-2の活性は2種類において活性化を認めたが、2種においては定常状態では活性の亢進は見られなかった。PTPN11遺伝子の変異の有無により低身長の程度に差がなかったが、変異を認めた症例では酵素活性の高い方が低身長の程度が強かった。ATDC5細胞に対するジーントラップ法により、軟骨細胞の分化に関わる遺伝子としてNFIB遺伝子を見出し、その転写活性と軟骨細胞内標的遺伝子について検索中である。成長遺伝子の網羅的検討は、大阪大学医学部医学倫理委員会において承認されている(許可番号60)ので、対象者のエントリーを行なっている。ステロイドホルモン感受性については、MDR, GR, CYP3A4,11βHSD2,CBP各遺伝子多型(SNP)の健常日本人における出現比率を検討した。代謝酵素の11βHSD2についてはリンパ球におけるmRNA量の検討を行っている。
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Research Products
(5 results)