2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15390335
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
中澤 誠 東京女子医科大学, 医学部, 教授 (10075567)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
富田 幸子 東京女子医科大学, 医学部, 助手 (40231451)
久保田 博樹 国立遺伝学研究所, 系統生物研究センター, 助手 (10270480)
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Keywords | 遺伝子 / 発現制御 / 血管形成 / 機能 / 心臓 |
Research Abstract |
2000年(Zhong et al.)にゼブラフィッシュgridlock変異種の研究で血管異常が報告されて以来、Notchシグナルと心血管系との関係に注目が集まりだした。Notchシグナルは局所的に細胞と細胞が直接接触することにより働く情報伝達機構で中心的な役割をはたしている。この伝達機構は線虫からヒトにいたるまで進化的に保存されており、発生・分化制御に関わる基本的な制御システムの1つで、未分化な幹細胞や前駆細胞の分化のタイミング、方向性、あるいは細胞集団内における分化細胞数の決定などに関与する。Notchシグナルの破綻は多くの疾患や奇形に結びつくことが明らかになりつつあり、神経疾患、心血管疾患、癌の発生機構などに深く関わっていることがわかってきた。これまでにNotch1/Notch4欠損マウス、Jagged1(Notchリガンド)欠損マウスでは胎生初期9.5-10.5日で致死で秩序のない血管系が認められている。Notchシグナルの下流で働くhesr (hairy and enhancer of split-related) 1あるいはhesr2をそれぞれ単独で欠損させても血管異常は認められないが、hesr1およびhesr2をダブルで欠損させたノックアウトマウスでは、ゼブラフィッシュgridlock変異種と同様な血管異常を見出した。つまり背側大動脈の癒合ができず2本の大動脈が尾側まで観察され、さらに胸部で動脈と静脈をつなぐ多数細血管が認められ、一部の血管は閉塞状態であった。このことよりhesr1とhesr2の協調作用が血管のリモデリングに重要な働きが示唆された。
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Research Products
(7 results)