2004 Fiscal Year Annual Research Report
重症型表皮水疱症の原因遺伝子・蛋白を真皮側から持続的に供給するシステムの開発
Project/Area Number |
15390337
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Research Institution | HOKKAIDO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
澤村 大輔 北海道大学, 大学院・医学研究所, 助教授 (60196334)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田畑 泰彦 京都大学, 再生医科学研究科, 教授 (50211371)
高垣 啓一 弘前大学, 医学部, 教授 (70163160)
清水 宏 北海道大学, 大学院・医学研究科, 教授 (00146672)
秋山 真志 北海道大学, 大学病院, 講師 (60222551)
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Keywords | 表皮水疱症 / 栄養障害型 / 重症 / VII型コラーゲン / ラミニン5 / 蛋白補充 / 遺伝子導入 / 真皮 |
Research Abstract |
表皮水疱症は、基底膜を構成する構造蛋白の遺伝子異常により発症する。特に、VII型コラーゲンやラミニン5β鎖の遺伝子変異で、生命予後が悪い重症型が生ずる。それらの構造蛋白は表皮細胞にて産生されると考えられているため、ほとんどの研究者の構想は、表皮細胞に遺伝子を導入し、その遺伝子産物を表皮細胞から基底膜に供給することであった。本研究の目的は、それらの重症型表皮水疱症の原因となるVII型コラーゲンとラミニン5β鎖に標的を絞り、その蛋白・DNAを真皮側から基底膜や表皮へ持続的に供給するシステムを開発することである。昨年度、我々はVII型コラーゲンを大量の精製に成功した。今年度、そのVII型コラーゲンを動物の皮膚に局注すると基底膜に沈着が認められ、投与したVII型コラーゲンが真皮側から基底膜にとりこまれることが判明した。さらに、ラットから線維芽細胞を培養し、ヒトVII型コラーゲンの発現プラスミドを導入し、stableに発現する細胞株を確立した。ラットに潰瘍を作成し、その遺伝子導入線維芽細胞を皮膚に局注すると、基底膜にVII型コラーゲンの沈着がみとめられるようになり、遺伝子導入線維芽細胞から、遺伝子産物を真皮側から基底膜に供給できることが明きかになった。また。合成コラーゲン線維の足場に遺伝子発現線維芽細胞を組み込むと、さらにその供給効率が上昇することが明らかになった。これらのことより、今回の研究の目的である、表皮水疱症に関連するDNAや蛋白を真皮側から持続的に供給するシステム開発は、達成されたと考えられた。
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Research Products
(6 results)