2004 Fiscal Year Annual Research Report
リポソーム包埋インターフェロンβ遺伝子による進行期悪性黒色腫の遺伝子治療臨床研究
Project/Area Number |
15390340
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
斎田 俊明 信州大学, 医学部, 教授 (10010381)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松本 和彦 信州大学, 医学部附属病院, 助教授 (40165882)
宇原 久 信州大学, 医学部附属病院, 講師 (40201355)
久保 仁美 信州大学, 医学部附属病院, 助手 (60234481)
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Keywords | 悪性黒色腫 / メラノーマ / 遺伝子治療 / 臨床研究 / インターフェロンβ遺伝子 / 正電荷リポソーム |
Research Abstract |
厚生労働省ならびに信州大学医学部附属病院遺伝子治療臨床研究審査委員会の承認をえて、プロトコールにしたがって、平成16年1月より患者エントリーを開始し、現在までに3例に本遺伝子治療を実施した。第1例目には臀部の1個の皮膚転移巣に1回10μgのDNA量の遺伝子製剤を週3回、計6回注入した。第2例目には下肢の3個の皮膚転移巣にそれぞれ10μgのDNA量を(1回総量30μg)週3回、計6回注入した。第3例目にはやや大型の皮膚転移巣1個に1回30μgのDNAをやはり計6回注入した。この3例で遺伝子治療による有害反応とみなされるものはまったく認められず、予定通りに安全に投与を行うことができた。効果は第1例で遺伝子注入転移巣が臨床的に消失し、組織学的にも強いリンパ球と組織球浸潤がみられ、腫瘍細胞は変性、消失していた。この患者では、非注入の皮膚転移巣の一部にも反応がみられ、強いCD8陽性リンパ球の浸潤を伴って腫瘍細胞の変性が認められた。第2例の注入転移巣3個にもリンパ球浸潤がみられたが、一部に腫瘍細胞の残存が認められた。非注入転移巣への効果はみられなかった。第3例では注入転移巣での反応が弱く、腫瘍細胞がかなり多数残存していた。以上より、本遺伝子治療をほぼ安全に施行できることが示された。また、一部の症例で局所効果のみでなく全身的効果も期待できる可能性が示された。今後さらに2例に本遺伝子治療を実施する予定である。
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Research Products
(7 results)