2003 Fiscal Year Annual Research Report
ヘミデスモソームの形成・解離に果たす基底膜分子の機能解析
Project/Area Number |
15390341
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
尾張部 克志 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 教授 (90109257)
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Keywords | ヘミデスモソーム / 基底膜 / ラミニン5 / BP180 / XVII型コラーゲン / マトリックスメタロプロテアーゼ |
Research Abstract |
本研究計画はヘミデスモソームをもつ実際の組織から基底膜を単離精製し、ヘミデスモソーム関連の基底膜分子を同定し、基底膜とヘミデスモソームの相互作用を分子レベルで明らかにすることを目的としている。 研究目的を達成するために基底膜について解析し、本年度次のような成果を得た。 1 基底膜画分の単離法を確立した:ヘミデスモソーム除去後のウシおよびブタ角膜基質をすばやく凍結し、基底膜部分のみをメスで削り採った。得られた画分と残った基質を、既知の基底膜分子に対する抗体を用いた免疫染色法や免疫ブロット法で解析した結果、この方法で満足すべき画分が得られた。 2 基底膜構成成分に対するモノクローナル抗体を作製した:基底膜画分を抗原にしてマウスを免疫し、ラミニン5やVII型コラーゲン等の既知の基底膜成分に対する抗体に加え、未同定の基底膜成分に対する多数のモノクローナル抗体を得た。現在、その抗原分子を解析中である。 3 ヒトラミニンγ2鎖のプロセッシングにより失われる部分と残る部分に対する複数の抗体を用いて以下の解析を行った。 (1)手持ちのモノクロトナル抗体にはラミニンγ2鎖のプロッセシングの阻害や細胞外マトリックスへの組み込みの阻害等の効果を示すものはなかった。 (2)細胞表面分子のビオチン標識とモノクローナル抗体を用いた追跡実験から、ラミニンγ2鎖プロセッシングはラミニン5が基質から効率よく遊離するため必要であることを示唆する結果を得た。 (3)プロセッシング前と後のγ2鎖をもつラミニン5分子をそれぞれ精製するために、放出される部分に対する抗体と残る部分に対する抗体を用いて、それぞれのアフィニティーカラムを作製中である。
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[Publications] Hirako, Y.: "Extracellular cleavage of bullous pemphigoid antigen 180/Type XVII collagen and its involvement in hemidesmosomal disassembly"J. Biochem.. 133. 197-206 (2003)
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[Publications] Vita, G, M.: "Expression of plectin in muscle fibers with cytoarchitectural abnormalities"Neuromuscul.Disord.. 13. 485-492 (2003)
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[Publications] Hirako, Y.: "Characterization of mammalian synemin, an intermediate filament protein present in all four classes of muscle cells and some neuroglial cells : co-localization and interaction with type III intermediate filament proteins and keratins"Cell Tissue Res.. 313. 195-207 (2003)
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[Publications] Joubeh, S.: "Immunofluorescence analysis of the basement membrane zone components in human anagen hair follicles"Exp.Dermatol.. 12. 365-370 (2003)
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[Publications] Hirako, Y.: "Hemidesmosomes and bullous pemphigoid antigens : ectodomain cleavage of BP180/type XVII collagen and novel spliced variants of BPAG1"Recent Devel.Cell Res.. 1. 145-159 (2003)
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[Publications] Hirako, Y.: "The 97 kDa (LABD97) and 120 kDa (LAD-1) fragments of BP180/type XVII collagen have different N-termini"J.Invest.Dermatol.. 121. 1554-1556 (2003)