2004 Fiscal Year Annual Research Report
非定型精神病の客観的な診断法の確立に向けた総合的研究
Project/Area Number |
15390350
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
林 拓二 京都大学, 医学研究科, 教授 (80173011)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村井 俊哉 京都大学, 医学研究科, 講師 (30335286)
石津 浩一 京都大学, 医学研究科, 助手 (50314224)
深尾 憲二朗 京都大学, 医学研究科, 助手 (60359817)
山岸 洋 北野病院, 神経精神科, 部長(研究職) (80239871)
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Keywords | 非定型精神病 / 精神分裂病 / 幻聴 / 等質性分析 / SPECT / スペクトロスコピー / 探索眼球運動 / 事象関連電位 |
Research Abstract |
精神分裂病(あるいは統合失調症)と非定型精神病(満田)との差異を、われわれはこれまでに、CT, SPECT, MRIなどを用いた脳の画像診断的検査によって検討してきたが、さらに、探索眼球運動検査や事象関連電位(P300)などの精神生理学的検査によっても、両疾患群の間にきわめて明確な差異があることを明らかにしてきている。今回の研究では、分裂病性精神病の妥当性のある分類を探るために、あらたにスペクトロスコピーなどの研究手段を組み合わせ、非定型精神病の客観的な診断法を確立することを目的としている。 まず、精神病理学的な研究は本年度に一編の報告を行なった。これは、これまでに収集した幻聴体験の詳細なデータを統計学的に解析したものであり、分裂病性幻聴と非分裂病性精神病性幻聴の症候学的相違を検討している。ここで用いられたデータマイニング的手法によっても、分裂病性幻聴は自我体験型や自我障害型を特徴とし、非分裂病性精神病性幻聴は対象体験型や夢幻体験型に分類され、満田の言う非定型精神病概念に類似する結果が示された。 SPECTでの検討は、なお多くの症例を必要とし、学会発表や論文による成果の公表を行なうには至っていない。予備的な検討として、SPECT所見へのバルビツール投与の影響を調べ、影響は少ないことを確認している。これは精神神経学会近畿地方会で発表したが、なお論文にはしていない。3つ目の研究である近赤外線スペクトロスコピーによる検討は、現在症例を増やしているところであり、他の検査結果とともに解析して、平成17年度中にはまとまった報告をおこないたいと考えている。
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Research Products
(7 results)