2004 Fiscal Year Annual Research Report
概日リズム障害の発症に関与する、生体時計関連遺伝子の多型の研究
Project/Area Number |
15390352
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
海老沢 尚 東京大学, 大学院・医学系研究科, 寄附講座教員(客員助教授) (00201369)
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Keywords | 睡眠覚醒リズム障害 / 遺伝子多型 / 時計遺伝子 / カゼインキナーゼ / 末梢時計 |
Research Abstract |
ヒトCasein kinasel epsilon (CK1ε)遺伝子のS408N多型が概日リズム障害発症の抑制因子であること、S408N多型を有するCK1εは、野生型のそれと比較し、α-caseinに対する酵素活性が約1.8倍になること、内在性の時計蛋白であり、CK1εの本来の基質であるPER1/2/3蛋白に対しても酵素活性の上昇が見られることを見出し、報告した。 CK1ε遺伝子のS408N多型を導入したノックインマウスを作成するため、ノックインベクターの構築を行った。マウスCK1ε遺伝子を12kbsにわたってクローニングし、マーカー遺伝子(Neomycin耐性遺伝子)を付加した。 ノックイン細胞の作成に関し、Rat-1細胞に生じた体内時計機能を観察するため、ヒトBmal1遺伝子のプロモーターをルシフェラーゼ遺伝子の上流に組み込んだレポータープラスミドpGL3-Bmal1P-PESTをRat-1細胞に導入し、48時間後にDexamethasoneで2時間刺激し、微弱発光測定装置で発光量の変化を測定した。その結果、ほぼ一定の24時間周期で発光量が増減するのが観察された。従って、このシステムにより体内時計機能を測定できることが示された。また、他の時計遺伝子のプロモーターを組み込んだプラスミドをRat-1細胞に組み込みDexamethasoneで刺激した場合、異なった時間的位相で発光量が変化することを見出した。従ってルシフェラーゼ遺伝子の上流に様々な時計遺伝子のプロモーター配列を組み込むことで、各時計遺伝子がどのような転写調節を受けているか、このシステムで確認できることが見出された。 平行して、Rat-1細胞にS408N多型をノックインするためのベクター構築を行った。
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Research Products
(6 results)