2005 Fiscal Year Annual Research Report
概日リズム障害の発症に関与する、生体時計関連遺伝子の多型の研究
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15390352
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
海老沢 尚 東京大学, 大学院・医学系研究科, 寄付講座教員(客員助教授) (00201369)
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Keywords | 概日リズム睡眠障害 / 時計遺伝子 / 遺伝子多型 / 転写因子 / ノックインマウス |
Research Abstract |
睡眠相後退症候群(DSPS)、非24時間睡眠覚醒症候群(N-24)などの概日リズム睡眠障害を対象に体内時計遺伝子の多型解析を行っている。今年度は、時計遺伝子Per2の全エクソンを検索して複数のミスセンス変異を含む多型を見出した。140例の健常被験者、106例のDSPS患者、40例のN-24患者を対象に多型頻度を調べたところ、そのうち2個のミスセンス変異はそれぞれN-24の一例のみが保有していた。うち1個は脊椎動物のPer1/2/3遺伝子間でよく保存されているアミノ酸の変化をもたらした。また、PER2蛋白の機能領域のすぐ近傍に存在した。ヒューマンサイエンス研究資源バンクから購入した約400例の一般日本人集団のゲノムDNAを対象に多型の有無を検索したところ、2つの変異のうち1つは400例のうち1例のみが保有していたが、他の一つは400例の中に保有者は見出されなかった。従ってこの変異は稀だがN-24の発症に関わっている可能性がある。現在、この変異を組み込んだPer2遺伝子cDNAを作成し、その蛋白の機能に変化が生じるか調べている。 また、既に見出し、報告した時計遺伝子の一つCasein Kinase1 epsilonのS408N多型を導入したノックインマウスを作成するため、ノックインベクターを作成し終えた。現在ES細胞に組み込む準備を進めている。 同じくCasein Kinase1 epsilonのS408N多型ならびにハムスターの概日リズム周期を短縮させるtau変異を培養細胞に相同組み換えにより導入し、デキサメサゾン刺激後の時計遺伝子発現の概日リズム変動の周期が変化するか確認するため、培養細胞用ノックインベクターの樹立を終え、培養細胞への導入を開始した。
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Research Products
(6 results)