2003 Fiscal Year Annual Research Report
PET診断の基盤研究:ヒト生組織のスライスPETから得られる情報の利用
Project/Area Number |
15390366
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Institute of Gerontology |
Principal Investigator |
佐々木 徹 (財)東京都高齢者研究・福祉振興財団, 東京都老人総合研究所・ポジトロン医学研究グループ, 研究員 (30158927)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
成相 直 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学研究科, 講師 (00228090)
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Keywords | ポジトロン / ヒト脳切片 / オートラジオグラフィー / 画像化 / てんかん / リアルタイム / 神経科学 / 活性酸素 |
Research Abstract |
(1)FDGと[^<15>O]酸素を、虚血による神経細胞傷害にミトコンドリアの機能低下とグルタミン酸放出と糖代謝との関係について検討した。無酸素・低酸素処理により、脳切片の[^<15>O]酸素摂取量は減少した。無酸素・低酸素処理により、脳切片のFDG取り込み量は有意に増加した。グルタミン酸添加処理において、脳切片のFDG取り込み量は増加する傾向が見られた。グルタミン酸アンタゴニスト処理により無酸素時に見られた脳切片のFDG取り込み量の増加が抑制された。一方、低酸素時に見られた増加はほとんど抑制されなかった。無酸素時、脳切片が放出するグルタミン酸量は有意に増加した。以上の結果から、酸素欠乏時における脳糖代謝の増大は、ミトコンドリア機能低下により減少したATP産生を代償する機構であると考えられた。 (2)出願中の特許「ポジトロンリアルタイムイメージング法」を装置化して具現化を図った。さらに、近年、発展の著しい「バイオイメージング法」との融合に取組み、PET放射能計測による糖代謝と化学発光計測による活性酸素の発生との関係を明らかにした。これにより、虚血-再灌流過程における活性酸素の生成と糖代謝の関係を検討した結果、活性酸素は虚血後の再酸素供給時に亢進することが明らかになった。糖代謝は活性酸素の発生の亢進に先立ち、無酸素時に代謝が亢進することが分かった。また、脳内の活性酸素の発生には局在があることも明らかになった。 (3)本年までに、ヒト生切片を対象とした検討は7例のデータが蓄積した。事前に実施したFDG-PET、MRIに検討結果との関係を比較検討した。FDG-PETから評価した糖代謝は、生理的条件下の摘出脳切片における糖代謝率と負の相関を、高カリウムによる脱分極刺激時の糖代謝率とは正の相関を示した。この結果から、FDG-PETの評価にインビトロにおける本実験系が有用であることを証明した。また、てんかん病巣のFDG-PETによる糖代謝に組織の質的変化が反映されることが示された。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Sasaki T., Funaki Y., Shozushima M., Terasaki K.: "Effect of anoxia on choline uptake and release of acetylcholine in brain slices estimated with a bioradiographic technique using[^<11>C]choline."Radioisotopes. 52・12. 677-685 (2003)
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[Publications] 佐々木徹, 成相直: "ポジトロン核種を用いたヒト新鮮組織切片の機能解析法の開発と核医学診断への応用"INNERVISION. 18・8. 60-60 (2003)
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[Publications] Sasaki T.: "[(11)C]choline uptake in regenerating liver after partial hepatectomy or CCl(4)-administration."Nucl Med Biol. 31・2. 296-275 (2004)
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[Publications] Maehara T, Nariai T, Arai N, Kawai K et al.: "Usefulness of[^<11>C]methionine PET in the diagnosis of dysembryoplastic neuroepithelial tumor with temporal lobe epilepsy."Epilepsia. 45・1. 41-45 (2004)