2005 Fiscal Year Annual Research Report
PET診断の基盤研究:ヒト生組織のスライスPETから得られる情報の利用
Project/Area Number |
15390366
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Foundation for Research on Aging and Promotion of Human Welfare |
Principal Investigator |
佐々木 徹 (財)東京都高齢者研究・福祉振興財団, 東京都老人総合研究所, 研究員 (30158927)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
成相 直 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学研究科, 講師 (00228090)
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Keywords | ポジトロン / 脳スライス / リアルタイムバイオラジオグラフィ / てんかん / 神経科学 / オートラジオグラフィ / 酸化的ストレス |
Research Abstract |
1)リアルタイムバイオラジオグラフィ法の開発研究 標記の性能評価向上のため、当研究所と都産技研、アロカ(株)との共同研究契約に基づき、空間分解能評価用流体チップを開発した。この成果として、化学発光、放射線の空間分解能をミクロン単位で評価することができ、装置の性能向上に貢献した。 2)リアルタイムバイオラジオグラフィ法を用いた応用研究 ポジトロン断層撮像法(PET)は脳疾患の診断に有用である。しかし、PET診断は様々な生体内の要因によって影響を受ける。PETで診ていたものは何か、PETの評価を目的として、ブドウ糖類似物質(FDG)-PETにより術前に診断したてんかん患者の病巣部位から作成した脳生スライスを、FDGを用いたオートラジオグラフィをダイナミックに解析「バイオラジオグラフィ」する実験系を開発した。 これまでの研究により、FDG-PETとバイオラジオグラフィで評価した脳組織の糖代謝の組み合わせが7例蓄積した。FDG-PETバイオラジオグラフィで評価した脳組織の糖代謝はFDG-PETのそれを良く反映した。FDG-PETで糖代謝の低下が認められなかった患者より摘出した脳組織スライス(正常脳組織に近い)の灰白質の糖代謝は神経細胞賦活剤であるHigh K^+によって著しく亢進したが、白質の糖代謝は亢進されなかった。一方、FDG-PETで糖代謝が低下を示した患者より摘出した脳組織スライスの糖代謝はHigh K^+に反応せず、神経細胞の変質、脱落と呼応した。 本実験系は、PETで診ているものの意義を検証することのできる有用な方法論となる。てんかん病巣や癌病巣のPET診断の評価に応用できると期待される。
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Research Products
(3 results)