2003 Fiscal Year Annual Research Report
成人肝移植手術におけるホスホジエステラーゼ阻害剤の効果
Project/Area Number |
15390374
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
菅原 寧彦 東京大学, 医学部附属病院, 助教授 (90313155)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
幕内 雅敏 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (60114641)
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Keywords | アムリノン / 肝移植 / アポトーシス |
Research Abstract |
[方法]Rat冷阻血+温阻血+再灌流モデルを作成した。すなわち、ラット間でKamada法に準じて、同所性肝移植を施行する。生体部分肝移植に近いモデルを目指し、ドナーはWinstar系雄性ラット4週齢、200g程度、レシピエントは6週齢Lewis系雄性ラット、300g程度を選択する。全肝グラフトは摘出後、冷生理的食塩水で経門脈的に還流した後、UW液に1時間保存する。全肝グラフト摘出後、すばやく、レシピエント手術を行った。 レシピエントラットの左外頸静脈にポリエチエンチーブ(PE-90)をカニュレーションし、再灌流後120分間、5γ、10γでアムリノンの持続静注を行う。プラセボ群では生理的食塩水を8ml/kg/hrで投与する。アムリノン群では持続静注に先立ち8ml/kgのアムリノンを筋注投与した。 [結果] (1)心拍出量、血圧、脈拍等の血行動態、グラフト血流に群間差を認めなかった。 (2)細胞間接着因子(ICAM-1)、アポトーシス(TUNEL法)は、5γ、10γのアムリノン群で対照群に比較して、著明に抑制されていた。 (3)血液中のICAM-1、肝逸脱酵素(AST、ALT)についても5γ、10γのアムリノン群で対照群に比較して、著明に抑制されていた。 [考察] ホスホジエステラーゼ選択的阻害剤は、心筋や血管平滑筋細胞内のcAMPを増加させる作用が知られており、急性心不全の治療薬として使用されている。その一方で阻血再灌流障害にも有効である可能性が本実験により示唆された。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Sugawara Y, Makuuchi M, Sano K, Ohkubo T, Kaneko J, Imamura H: "Vein reconstruction in modified right liver graft for living donor liver transplantation."Annals of Surgery. 237・2. 180-185 (2003)
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[Publications] Sugawara Y, Makuuchi M, Sano K, Ohkubo T, Kaneko J, Imamura H: "Small-for-size graft problems in adult-to-adult living-donor liver transplantation."Transplantation. 75・3Suppl. S20-S22 (2003)
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[Publications] Sugawara Y, Makuuchi M, Kaneko J, Kokudo N: "MELD score for selection of patients to receive a left liver graft."Transplantation. 75・4. 573-574 (2003)