2003 Fiscal Year Annual Research Report
癌抑制遺伝子FHITのカスケード解析と癌遺伝子治療法の確立
Project/Area Number |
15390379
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
三森 功士 九州大学, 生体防御医学研究所, 助手 (50322748)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白石 猛 九州大学, 大学病院, 助手 (30315139)
井上 裕 九州大学, 生体防御医学研究所, 助教授 (90203249)
森 正樹 九州大学, 生体防御医学研究所, 教授 (70190999)
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Keywords | Fhit / Cox2 / PGE2 / Adenovirus-Fhit / Microarray / 蛋白カスケード / E2F |
Research Abstract |
1)発癌モデルにおけるFHIT変異カスケードの解明:われわれは様々な発がん機構を解明していく上で、最も重要な因子のひとつである、炎症作用に着目し、その炎症関連のカスケードと、特にFHIT遺伝子との関連について解析した。すなわち、我々の樹立したFHIT遺伝子保持および欠損細胞に対して、炎症を誘導刺激を加えたところ、炎症の経路で重要なCox2やPGE2の発現に伴いFHIT遺伝子が変化することが明らかになった。われわれはFHITのpromoter領域の上流に重要な転写因子のひとつE2Fの結合領域を同定したが(BBRC 2004,in press)、Cox2の上流に位置する蛋白のひとつがCox2経路と同時にE2F-Fhit経路も刺激するためと考えられた。 2)FHIT抗腫瘍効果発現時のカスケードの解明:Cox2を誘導した細胞では、FHITゲノムおよび蛋白発現変異はみられないが、FHIT遺伝子導入株化細胞においてCox2を強制誘導したところ、Fhit発現時においてPGE2が抑制されることを蛋白およびELISAで明らかにした。従って、FhitはCox2の上流に位置することと、FhitによるCox2関連の発癌制御の可能性を示した。従って、炎症が関与するすべての発がん機構においてFhitは抗腫瘍効果を示すことを明らかにした。 また、抗腫瘍効果を発現する際のカスケードを明らかにするために、Adeno-Fhit導入株とcontrol株との間で、19000遺伝子搭載チップ(Agilent)でmicroarrayを行い、cy3とcy5を入れ替えるなど、合計28回の比較を行ったところ、Fhit導入株でProstaglandin E2F receptorが統計学的に有意に抑制されていることを明らかにした。 3)FHITを用いた遺伝子治療の試み:炎症が生体内の環境発がん因子であるとすれば、Adenovirus Fhit投与により発がん抑制が可能であると期待される。今年度の実験課題のひとつ。炎症の他にも発がんや癌進展機構は様々であり、おおくのカスケードを対象にFHITとの関わりを明らかにしていきたい。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Mimori K, Shiraishi T, et al.: "MAL gene expression in esophageal cancer suppresses motility, invasion and tumorigenicity and enhances apoptosis through the Fas pathway."Oncogene. 22. 3463-3471 (2003)
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[Publications] Mimori K, Inoue H, et al.: "Microsatellite instability is often observed in esophageal carcinoma patients with allelic loss in the FHIT/FRA3B locus."Oncology. 64. 275-279 (2003)
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[Publications] Yamashita K, Mimori K: "A tumor-suppressive role for trypsin in human cancer progression."Cancer Res. 63. 6575-6578 (2003)
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[Publications] Mimori K, Tanaka Y, et al.: "Clinical significance of the overexpression of the candidate oncogene CYP24 in esophageal cancer."Ann Oncol. 15. 236-241 (2004)
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[Publications] Mimori K, Ueo H, et al.: "Thymidine phosphorylase activity predicts 5'-dFUR sensitivity in colorectal cancer : candidate sensitivity genes identified by analysis microarray"Oncology Report. In press. (2004)
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[Publications] Ishii H, Mimori K.et al.: "Effect of exogeneous E2F-1 on the expression of common chromosome fragile site genes, FHIT and WWOX."BBRC. 2004. (2004)