2003 Fiscal Year Annual Research Report
肝細胞バンキングの試みとDecoy receptor3遺伝子導入による肝細胞移植
Project/Area Number |
15390381
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
兼松 隆之 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (40128004)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川下 雄丈 長崎大学, 医学部・歯学部附属病院, 助手
蒲原 行雄 長崎大学, 医学部・歯学部附属病院, 助手 (50325643)
古井 純一郎 長崎大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教授 (30264229)
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Keywords | 肝細胞保存 / 細胞バンク / Decoy Receptor 3遺伝子導入 |
Research Abstract |
肝細胞のバンキングにあたり、同意を得た肝切除症例の摘出検体からの肝細胞分離を試みた。 提供された検体の原疾患は肝硬変併存肝細胞癌2例、転移性肝癌並存正常肝2例各々の非癌部である。 肝細胞分離 方法)摘出肝をUniversity of Wisconsin液に浸漬保存し、その後EDTA含有緩衝液にて加温と組織内金属のキレートを行う。その後、collagenaseを灌流させ細胞分離を行う。切除に要した阻血時間と細胞生存率について検討した。分離した細胞は肝細胞分画と非実質細胞分画に分類し、一旦EGF添加培養液で培養し形態を調べた。 結果)阻血時間が長くなると細胞収量は減少したが細胞生存率には差がなかった(平均65%)但し、加温が不十分になると細胞生存率が低下する傾向にあった。また、肝硬変では肝細胞の収量は正常肝に比し有意に少なかった。培養におとすと生存肝細胞は肝硬変に関係なく一定期間生存した。非実質細胞分画を培養すると背景肝に無関係に小型の肝細胞集団の発生を認め、これらは経時的に増殖を示した。 考察)障害肝であって肝細胞は分離可能で一旦分離状態となれば、正常肝由来と同等の培養形態であった。このことは、摘出肝は細胞バンクのよき細胞入手源である可能性を示唆するものである。また、非実質分画の存在する小型肝細胞はprogenitor細胞と思われた。これら自律的増殖を示す細胞の保存・バンク化そして臨床使用が期待される。 今後の計画)種々の段階の肝細胞を凍結保存し、解凍後の細胞生存・機能を検討したい。
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Research Products
(1 results)