2004 Fiscal Year Annual Research Report
消化器癌に対する腹腔鏡下手術の標準治療確立に向けての基礎研究 -内視鏡外科腫瘍学の確立-
Project/Area Number |
15390401
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Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
北野 正剛 大分大学, 医学部, 教授 (90169871)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白石 憲男 大分大学, 医学部, 助教授 (20271132)
猪股 雅史 大分大学, 医学部, 講師 (60315330)
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Keywords | 腹腔鏡下手術 / 消化管癌 / 血行性肝転移 / 腹膜播種 / リンパ節転移 |
Research Abstract |
1.血行性肝転移に対する気腹の影響 (1)気腹が肝転移に及ぼす影響と肝組織内接着分子発現の検討 マウス大腸癌細胞株を脾注し、その後、気腹群、開腹群、麻酔のみのコントロール群にわけ、肝転移形成率、腫瘍径、転移結節数、肝重量を評価した。結果は、気腹群はコントロール群と比較して、転移結節数が有意に多かった。また、気腹、開腹、麻酔のみの各群から経時的に肝臓を採取して、mRNAを抽出、RT-PCR法にて、接着分子のひとつであるICAM-1の発現を検討した。その結果、気腹群では、処置後1日目において、IGAM-1 mRNAの発現が他群に比べて亢進していることが示され、気腹による肝転移増強効果の一因として考えられた。この結果は、Surgical Endoscopyに掲載予定である。 (2)気腹操作後の肝血管内皮細胞の形態学的変化の検討 気腹操作によって、肝血管内皮細胞の配列の乱れ、細胞間隙の開大などの変化が見られた。この要因として気腹による門脈血流量の低下とアシドーシスの関与が推測された。この結果は、Surgical Endoscopyに掲載予定である。 2.腹膜播種に与える気腹の影響 (1)リンパ節転移に及ぼす気腹の影響 マウスにおいて、腹腔内リンパ節転移モデルを確立した。(Oncology report,2004)また、このモデルを用いて手術操作後のリンパ節転移を比較したところ、気腹操作は開腹操作よりもリンパ節転移が少ないことが明らかになった。この結果は、現在投稿準備中である。 (2)大腸癌盲腸逢着モデルにおける腹膜播種に与える気腹の影響 開腹群は気腹群よりも腹膜播種が多く、腫瘍原発巣におけるE-カドヘリンmRNA発現が低下していた。開腹操作による原発巣からの癌細胞の離脱増強効果を示したものと思われた。この結果は、Surgical Endoscopyに掲載された。 (3)腹膜伸展操作が腹膜中皮細胞に与える気腹の影響 培養が比較的容易なマウス大腸癌細胞株を用いて予備実験を行った。培養細胞伸展装置により実際の気腹した場合の腹壁と同程度の伸展を行い、培養上清中の増殖因子を測定したところ、EGF、HGF、c-metのmRNA発現が誘導された。現在、ヒト腹膜中皮細胞での検討を行っている。
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Research Products
(7 results)