2003 Fiscal Year Annual Research Report
拡張型心筋症に対する改良型左室縮小術と成長因子による合同治療の有効性
Project/Area Number |
15390410
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
仁科 健 京都大学, 医学研究科, 助手 (30314214)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
米田 正始 京都大学, 医学研究科, 教授 (20303810)
菅 弘之 国立循環器病センター研究所, 所長 (90014117)
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Keywords | 拡張型心筋症 / 心尖部温存左室形成術 / 肝細胞増殖因子 |
Research Abstract |
1)心尖部温存左室縮小術の臨床応用の確立 平成15年4月から平成16年2月までに当科と新東京病院で合計9例(特発性拡張型心筋症2例、虚血性心筋症7例)の心尖部温存左室形成術を施行した。緊急手術2例、定期手術7例で、それぞれ1例を術後に失った。症例がまだ少なく、更なる症例の追加と検討を行う予定である。 2)犬の拡張型心筋症モデルでの肝細胞増殖因子(Hepatocyte growth factor:HGF)徐放シートの有効性の検討 ビーグル犬を用い、ドキソルビシン0.7mg/kgを週1回、計5回冠注した。4週後に開胸し、左心室の自由壁の心外膜上にHGF徐放シート(100μg)、または生理食塩水シートを巻きつけて、8週後に心エコー、心カテーテル検査、犠牲死後の病理標本にて評価を行った。はじめの予備実験で心機能の改善を認めず、ラットで豚のミオシンを用いた自己免疫反応による拡張型心筋症モデルで同様の実験を行った。20匹のラットを無作為に2群に分け、DCMラットに対しA群ではHGFシートを巻き、B群では生理食塩水シートを巻いた。その2週間後に心機能の評価を行った。左室拡張末期径及び短縮率はA、B群それぞれ、0.40±0.04cm vs 0.51±0.05cm、56.2±6.5% vs 37.3±5.5%とHGF群で良好であった。また左室自由壁心筋の線維化の割合はHGF群で有意に少なかった。このため、HGFの量に問題がある可能性があり、増量して実験を再度行う予定である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Koyama T, Komeda M, et al.: "Importance of preserving the apex and plication of the base in left ventricular volume reduction surgery"Journal of Thoracic and Cardiovascular Surgery. 125. 669-677 (2003)
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[Publications] Sakakibara Y, Komda M et al.: "Toward surgical angiogenesis using slow-released basic fibroblast growth factor"Eur J Cardiothorac Surg. 24. 105-111 (2003)